『古文解釈はじめの一歩(駿台文庫)』
駿台古文課の重鎮、関谷浩先生による本。
『古文解釈の方法』でもおなじみの人ですね。
そんな著者が新世紀に入って新たに示した三部作の第一弾。
1. 概要
古文の実力を養成するための最低限必要な項目を厳選。
古文解釈に必要な着眼点を11の視点から解説。
1から順番に進めることで着実に実力が養える。
2. 構成
全11章、2・3・8章は更に2つずつ示している。
活用から、助動詞、助詞などまで解釈に必要な要綱を提示。
1章の構成は問題→解説→重要事項、語法は適宜紹介。
語法として13の項目が紹介。
3. 評価
(1) 長所
- 以前と比べて大分とっつきやすくなった。
- 薄いので何周も回しやすい。
- 問題文の難易度が低い。
- 段階的に学習が出来る。
(2) 短所
- 文法を抑えていることが前提。
- 文法の説明が少ない。
- 以前触れられていた細かい事項までの解説が無い。
- 演習量が少ない。
(3) 総合評価と感想
大分難易度が下がりました。『古文解釈の方法』はかなりがっつり、がっちりした本だったのですが、今回は導入本としていい感じに。
『方法』のエッセンスを凝縮させた本です。本当に必要な事項のみを残して、削りに削っています。
その分易しくなり、一方で到達度が低くなっています。
でも、やる前に文法は抑えておきましょう。最低限の事項のみで十分です。あとは本文中に適宜解説がなされています。
前回のが古文解釈教室だったとしたなら、今回はビジュアル古文解釈といったところです。
問題演習を多く行うために『はじめの一歩 古文読解問題集』を『はじめの一歩』が終わった後にやることを推奨します。この2冊をやればもう過去問に取り掛かっても大丈夫でしょう。勿論、別に細かい文法、単語や古文常識はやっておく必要があります
更に『古文の解釈精選問題集』というのがありますが、こちらはよく知らないので、2冊が終わったあとにでも見て、よさそうならどうぞ。
解釈の導入本としては最適。解釈に特化しているので、他にも色々こなす必要がありますが。とりあえず解釈という方はどうぞ。
今回は80点。導入本ですし、こんなものでしょう。
- 作者: 関谷浩
- 出版社/メーカー: 駿台文庫
- 発売日: 2003/05/07
- メディア: 単行本
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