『古文読解教則本 改訂版―古語と現代語の相違を見つめて(駿台文庫)』

 初版が20年以上前の著作
 昔、駿台に所属していた故高橋正治師の本
1. 概要
 古文を読むにおいて、文脈を辿ることは問題が無い。外国語と違い、古文は日本語として現代文と連続しているからである。よって、極端にいえば、文法は動詞・形容詞・形容動詞の活用、助詞・助動詞の接続の知識だけであり、あとは単語の問題となる。
 この本は助詞・助動詞・敬語を中心とした学習をするために編纂された。
 前から後へと徐々に文法の知識を積み上げていくため、後の例文で出てくる文法知識を前に出さないようにした。これにより、段階的な学習が可能となっている。
 例外として、前で出てきてしまう用法は現代語と同じ意味のものである。
 現代語訳は直訳に近いものとなっている。これは原文を理解するための方策として訳文が存在しているからである。
2. 構成
 全部で362の文がある。
 最初に例文を学習する前準備として、動詞・形容詞の活用、助動詞の接続・活用を習熟してもらう。これらは例文の前に掲載されている。
 次に、ゴシックの番号がついた文を最初から最後まで繰り返し学習する。全部で278の文がある。一通り終わった後で残りの文によって、さらに習熟する。
 一般的な文法の学習順には拠らない独自の構成となっている。知識を少しずつ積み上げていけるような構成となっている。
 簡単な文法説明がある。
3. 評価
(1) 長所
 段階的な学習が可能になっている。
 これをやれば、後は単語と読解をやるだけで十分となる。
 すべての文が、様々な作品からの引用であり、不自然な例文が無い。
 薄く、持ち運びが楽。学習がしやすい。
(2) 短所
 一般的な構成と異なる。体系的な学習はできない。
 文法説明が少なく、全くの初心者には不向き。
 最後までやらないと、効果が薄くなる。
(3) 総合評価と感想
 浪人中やりまくった本です。2日で一回は回していました。何回もやっていくうちに自然と文の意味がとれるようになります。
 問題は、やはり導入本でないということでしょうか。文法を一通り終えた(最低でも大枠は掴んでいる)人間が演習として何回も読んでいくというのがいいと思います。
 読解法と古文常識は身につきません。あと副詞やら感動詞やらにも穴ができるので注意。別の本で学習しましょう。
 80点です。何周もして、身に付けさえすれば古文との壁はかなり低くなります。ぜひお勧めしたい一冊です。
 誰か文法説明とかのサイト立ち上げたりしないのかな。作者の意図と反しているし駄目か。それにしても昔の駿台らしい本です。