『ToLOVEる −とらぶる−ダークネス』第3話――「Each speculation−それぞれの思惑−」

 ということで第3話です。
 今回の話で、

  • 芽亜「ダークネス計画」――金色の闇に結城リトを殺させることにより、暗殺者としての復帰及び行き場を失った闇の取り込みが目的
  • モモ「楽園(ハーレム)計画」――リトのハーレムを形成することにより、今までに醸成されてきたリトを中心とした女性関係の安定化を達成することが目的。その中でも扱い難い闇を取り込んでしまうことにより、リトの身の安全を確保する

の2つが出揃いました。
 今後は、どちらの思惑が上手く運ぶかという形で話が進むと思われます。
 では、今回も振り返っていきます。


1. 主要登場人物の状況
 引き続き、3者を中心にして構成されています。
A) モモ・ベリア・デビルーク

  • 闇に接近し、リトに迫っているであろう危険を察知しようとする。ただ、ヤミには信用されていない様子である
  • 御門先生よりヤミの手助けをして欲しいと頼まれる。その信頼に少し驚きつつも引き受ける

B) 金色の闇

  • 転入するも、一部を除いた他者を寄せることなく生活
  • 妹と名乗る芽亜について考える。その中で兄妹(姉妹)関係の理想としてリトと美柑の関係を思い浮かべた
  • リトに対する複雑な感情(標的として、友人の兄として、友人?として……等)を自覚する
  • リトに対して、芽亜の手出しは許さないという暫定的な結論を出す
  • 一方でリトに手を出さない限りは芽亜を敵視しない意向を示す

C) 黒咲芽亜

  • ヤミと同様に第6次銀河大戦末期に創りだされた生体兵器であり、ヤミの開発データを基礎として創られた
  • 結城リトを理解するため、「生体との物理融合及び精神の接続」を行う。結果、ナナの言うとおりの「ケダモノ」と把握する
  • モモの計画を把握する
  • 「主(マスター)」の命に従い、あくまでもヤミによるリト暗殺への手助けを行うことが目的だと明かす

2. 設定

  • 「主」については、闇が考えるに「大戦後に消滅した組織の生き残り」ではないかと考えられている。が、確かかどうかは不明
  • 学校にいる間は、セリーヌは御門先生預かりとなった
  • 「生体との物理融合及び精神の接続」を行うと、他人の意識の中に入り込むことが出来る。対象者が眠っている場合、夢の世界に入り込むことが多いと思われる。今回、風呂に入っていたリトの前に芽亜が登場した際は裸となっていたが、対象者のシチュエーションに合わせることとなってしまうのかは謎
  • リトの下半身がケダモノ化していたらしい。ただ、もとよりケダモノである可能性もある

3. 感想
(1) ストーリー
 土台となる構造を組み上げた回。モモ、ヤミ、芽亜の立ち位置が固まり、対立構造も出来たので、いよいよ次回から動き出すのかなと思われます。


 前回まで及び今回の話を見ると、主要3者(ナナを含めて4者)(=1年生組)の動きを中心とする話しづくりをしているため、やはり2年生組の扱いはとらぶる無印とは変わってきそうです、
 具体的に言うと、無印においては1話完結を基本とした構成でヒロインそれぞれにスポットを当てる回と少人数が会する回、多人数が一堂に会する回の3つがあり、その中で各ヒロインの「変化」を描いていくことが多かったです。
 しかし、ダークネスにおいては、「1年生組」を主人公的ポジションで貫徹すると思われるため、「2年生組」及びその他のヒロインはあくまでも舞台装置的な役割――ヒロイン自身が変化していくのではなく、教えたり示唆したりする存在として出てくることが増えるのではないでしょうか。
 例えば、唯ですが、今回の唯は無印とは明らかにポジションが変わっています。無印においては最も「変化」したヒロインであり、揺れ動く感情が良く描かれていましたが、今回の話においては、立場を変えてきています。おそらく、唯と同様の事例が今後もよく見られると思われます。第2話の美柑もその気がありましたし。


 物語の中心となりそうな2つの計画ですが、これが今後どう展開するかはあまり見当がつきません。
 とらぶるという漫画の性質上、陰湿な裏の闘争があったり、キャットファイト的なことがあったり、というのはないでしょうから、まあ真っ当に進むんでしょうけど、何がどう進むのかはサッパリわかりません。
 結末は、元鞘というのが一番妥当だろうと思われるんですが……。
 過程をどう描いて結末を導くのかは注目していきたいところです。

(2) その他

  • ポスター凄いですねもうわけわからないです。
  • 「何にしてもまだ情報が少ない。黒咲メアはしばらく泳がせて様子をみるしか……」でなぜ机の下からパンツを描く必要があるのか、高度すぎてわかりません。
  • 逆に、64頁のメアの脚は意図が感じられていいです。
  • 御門先生の胸がまた大きくなったように見えますのは気のせい。
  • 69頁のモモは、余り見ることがないので可愛らしいです。こういう所にキュンときます。
  • 73頁上段のコマのヤミの表情が素晴らしい。「ポケッ」としたヤミちゃんなのです。
  • 「睫毛」がきっちり描かれていると色気が増します。そんなことに気づきました。
  • メアは表情豊かでなかなか宜しいかと思われます。
  • 校舎のコンクリートの上で直眠りするだけの度量は私には到底ありませんの。リトさんどんだけですか。
  • ?→この…感触は?→そして乳首。リトさんは半端ないです。お前この感触何回体験してるんだいい加減に……というのがおこがましいぐらい卓越した技量を持っています。まさに職人芸。リトさんこそダークネス計画の結果生まれた存在ではないでしょうか。「暗闇の職人(ダークネス・クラフトマン)」です。


 というわけで、とらぶるダークネス第3話でした。
 いよいよ争いが本格化するであろう次回を待ちわびて、ではでは。

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