小説版『ToLOVEる -とらぶる-』「危ないガールズトーク」
なぜか売ってたので購入。もうちょっと後じゃなかったっけ。
ノベライズということでとても不安がありましたが、杞憂に終わりました。
小説のメリットを存分に生かし、普段中々できないことを公式に表現できています。
それは主に3つありまして
・視点をヒロイン側におく
・リトを目立たせない形で話を展開させていく
・心情描写を細やかに、ある程度長編を可能に
といったところです。特に重要なのが2つ目ですね。週刊連載ですと、基本リトが絡まない回を話作り、絵作りの都合上、作るのは難しくなってしまいます。そこを小説版だと補うことができ、世界観を更に広げることに繋がっています。
前書きはこの辺にしておいて、まず内容の紹介から。
まず、内容から。
本編は5章構成、そして後書きがついています。
春菜、闇美柑、唯、沙姫凛綾の順でスポットが当てられ、最後に後日談として御門お静、となっています。
本編の時期は、13巻より前ですね。10巻11巻辺りと考えてもらえればいいと思います。
その後、作者3名の後書きになります。
イラストは、表紙絵、口絵(表裏)、各章に2枚もしくは3枚のラフ絵、そして、後書きに1枚です。
それでは、1つずつ振り返っていきます。さわりだけの紹介にしておきます。ネタバレは少なめで。
最初は口絵イラストから。
表面はララがバスタオル1枚で横たわっている絵。上半身のみにしかかかっていないため、体のラインがはっきりと露になって艶かしいです。色々見えそうで見えないのはお約束です。
裏面は一転してコミカルな感じに。頭身が普通のララを中心として、各ヒロインのSDキャラが周囲に配置されているといったものです。
ちなみに、ルンは表紙とここでしか出番が……。本当に不遇です……。
次からは本編の紹介に。
第1章「危ないガールズトーク」
春菜編です。近頃恥ずかしい夢を見てばかりの春菜、気もそぞろになり、どこか元気がない様子。そんな春菜を里沙と未央はカラオケBOXへと連れて行く。そこで繰り広げられるあらあらうふふなで、ちょっと女の子の悩みなお話。
イラストは2枚。共に春菜中心でエッチいです。春菜好きは買いでしょう。
第2章「タイヤキ大作戦」
闇編です。ふと立ち寄ったタイヤキ屋。そこのタイヤキはとてつもなく不味いものだった。ただ、そのタイヤキ屋はヤミの過去と関係していて――。闇が再建請負人になって頑張る話。最後は少ししんみりします。
イラストは、料理をする闇と美柑、そしてトランス。えっちいのは嫌いなようです。
第3章「風紀委員は悩ましい!?」
自習時間の騒がしい教室。唯は何とか静めようとするも、全く無駄だった。怒り疲れた唯は保健室に向かいサプリメントを貰ったのだが――、唯が色々大胆になっちゃう話。
イラストは、1枚目は可愛く、2枚目は色っぽく。
第4章「ナースクイーンは高らかに笑う」
家の教えにより、短期でバイトをすることになった沙姫。バイト先は御門診療所。そこで先が出会った少女とは……?
沙姫の良さがよく出た話です。本編では中々こういうのが見られません。私的に、今回の一押しです。
イラストは3枚。1枚目はナース服を身に着けた沙姫はじめ4名。2枚目は触手がまあ触手。3枚目は「むぎゅ」です。
第5章「静かな午後に」
御門診療所の昼下がり。特に何事もなく、御門先生とお静ちゃんの雑談。全体のまとめになっています。
イラストは1枚、何もなくとも色気のある御門先生と可愛いお静ちゃんの絵。
そして最後。後書きです。
矢吹センセ、長谷見センセ、ワカツキセンセの3名の後書きです。
イラストは、こいつ……間違いなくアグネスに喧嘩売ってやがるってばよ、な1枚。
ミカンの中身はどんな味がするでしょうか。誘ってやがりやす。ああ負けだ。チンを一撃で脳ミソグワングワンですわ。さてこちらもチンで一撃(以下略)
美柑ファンはこれだけでも買う価値があると思います。
以上で大体の紹介を済ませました。
では、ヒロインファン別、買う価値どの程度あるの?をやります。
単純に順位付けすると
沙姫>>春菜≧闇=美柑=お静>唯=御門>>ララ>>>>>>ルン
な感じです。
話の量質ともに沙姫が1位。
春菜のこういったエピは新しいので2番目、エロいし。
3番目は闇。色気はないですが良い話。設定を深めるには良い機会でした。
同順位で美柑、本編は第2章のみの登場ですが、後書きの絵でここまで。
お静ちゃんは中々の活躍っぷり、良い脇役になってました
一歩下がって唯。賛否両論ある話の内容かなと思います。個人的にはちょっとどうかと思ってます。とらぶるといえばとらぶるですが、判断に困る。
同順位に御門先生。良い脇役でした。
下がってララ、ちょっと出番が少ないですね。扱いづらいのではなく、微妙なところを表現しづらいのが出番の少なさに繋がっている気がします。
そして最後にルン。もはや残念としか言えません。なんたって……ねぇ? ちょっとこの扱いにはさすがの私も「う〜ん」となってしまいます。解脱するしかないかな。
まあこれはあくまでも参考なので。ルンの扱われ方以外はあまりあてにならない順位と考えてください。
全体の評価としては、よくできた公式ノベライズだと思います。とらぶるでありながら、普段見ることのないとらぶるを描けています。長谷見監修が入っているという点で、作者が変に暴走することもなく、よいまとまりになっているのではないでしょうか。
不満とすれば、ララとルンの扱いでしょう。次回があるならぜひ彼女たちのエピソードも作っていただきたいものです。
あ、それと美柑単独もほしいし、闇美柑もほしいし、リコも場合によっては……。と色々考えてみたりもします。
では最後にもう一度評価を言うと、基本「買い」です。特にルン以外のTo LOVEるファンの方は買っておいて大損ぶっこいたということはないはずです。安心して購入しましょう。
以上になります。また会う日までさようならです。
To LOVEる 危ないガールズトーク (JUMP j BOOKS)
- 作者: ワカツキヒカル,矢吹健太朗,長谷見沙貴
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/08/03
- メディア: 新書
- 購入: 1人 クリック: 71回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
ここからは、ネタバレ大いに感想を行きます。といいつつあまり出来なかったりするんですけど。
とりあえず、買ってない人は見ないようにしてください。
さすがにカラオケBOX酷い。とても酷い。感じすぎだろ常識的に考えて。こんなこともあることを予測し、今後は監視カメラをつけるべきですね。そして、府中の大地へ一歩進まん。
てかホントにエロゲー小説の挿絵だろこれ。さすがに一発ヤリはしませんが。
風が……背中に沁みるぜ。第2章はそんな感じ。闇さんはまさしく漢だった。
異星人の味覚はやはり厳しいものがあるので、ララの味覚調整は行うべきだと思います。将太の寿司の佐治さんばりに「塩が……二粒、いや、三粒です」ぐらいまでいけば、もう少しまともな弁当が出てくる。
第3章、露出狂な唯さんの話。唯の裸はなあ、もっと大事にすべきだって婆ちゃんも言ってた。俺も言ってた。そんな容易く周囲に見せるもんではありんせん。
休み時間に男子便所が混んでるのですけど、何かあったんですか先生?
というようなことが起きそうなのでこれはあまり好きじゃないのです。
第4章、不遇をかこっていた沙姫に、大いなる活躍の場が。こういった母的、姉的ポジショニングを活かせれば、もう少し出番も増えるのですが。そうするにはリトに近づける必要がありまして、でもザスティン方面をおざなりにすることもできず……。
相変わらず、厳しいポジショニングを強いられるのは間違いなさそうです。お金持ちですから、そっち方面での活躍はすぐできるんですけど。
お静ちゃんがすうぱあなあすでした。平和な本編の裏で八面六臂の活躍をしているのですね。ところで、睡眠は摂るのでしょうか。バイオノイドだから一応疲れたりはするのかな?
後書きの美柑は酷い。良い意味で酷い。どうしてこの絵をここに持ってきたんでしょうか。下着は下一枚、しかも脱ぎかけ、エクストリームなギャンブルに出たんですか?
どうしてこうなった。どうしてこうなった。
家に帰ってきたら、美柑が俺のベッドに横たわっていたんだ、半裸で。
コマンド?
1. 部屋を出る
2. 掛け布団をそっと掛ける
3. 羽ペンで体全体をこちょこちょする
4. とりあえず抱きしめる
……選択肢に「襲う」はなかった。現実は非情である。
まあそんな感じ。