『ぬらりひょんの孫』第9巻 椎橋寛(著)ですが、脱線アリ
このマンガ、京都編が終わったらどうするんでしょうね。
1.今巻の内容
それはともかく今巻は遠野編。
明鏡止水の一段階上の能力である鏡花水月の力を手に入れ、遠野で新しい仲間を得て、んじゃ京都でも行くかという話。
一方その時、京都では、花開院家と羽衣狐らとの戦いが進み、羽衣狐側の優勢。
京都の封印解除が完了し、羽衣狐側が京都に勢力を構築しはじめた。そこにリクオたちが殴り込みを掛ける。
ここで引き。次巻へ続きます。
2.感想
(1)髄液がうんたら
予定通り花開院家のかませ度パネェっす。早速品性に欠ける話を1本。
花開院3人衆と羽衣狐との戦いをホゲーッと見ていて、
「がしゃどくろ×羽衣狐」
というのを思いつきました。
体格差があって面白いと思いませんか。絵的に。ただ、問題が1つありますな。骨しかないから、アレがないのです。アレは骨入ってないからなぁ。尾てい骨で代用すればいいか。ところで骸骨だとどこで感じればいいんでしょうな。牛乳の代わりに骨髄が発射されるのかしら。ダメ〜ッ!!ダメ〜ッ!!髄液出ちゃう〜〜。髄液出ちゃうの〜〜。
誰か描いてください。
(2)かわいい絵
今巻で一番かわいい絵は、8ページ「遠野・カッパ淵の図」で洗濯物籠を持っている子。性別不詳。たぶん女の子だと思うんですが、ひょっとしたら男かもしれない。
別に問題ないですが。
(3)内容談義 その1
羽衣狐との因縁話。リクオの父親を殺したのは若き日の羽衣狐でしたと。
親父殺しネタを放出するのが意外と早いなぁ。もう少し引っ張ると思っていたのですがねぇ。これに掛ける心意気を存分に感じます。
ただ、こんなにネタを放出すると、羽衣狐編以降どうするんだろうなぁ。国際的にするわけにもいかんし、国内でうんたらかんたらするのも・・・・・・、まあそれはその時になって、観察すればいいのでしょうね。黒子といい、前のめり型が多い気がする。
いやそもそも論で言うとそんなに50巻とか100巻とか自分的には要らないという話でした。でも、少年漫画の一話完結がほぼ無い話あり系の漫画なら、30巻近くは続いても良いと思うんですけど。
(4)内容談義 その2
鏡花水月の後は何かあるんだろか。(→2月24日追記:来週出そうですね)
畏戦闘は、正面衝突に過ぎると微妙だなぁ。鏡花水月は面白い能力なので、使いようによっては戦闘も面白くなるかな。でも、周囲の登場人物の戦闘がしょっぱいとやっぱ駄目か。
ただ、良い戦闘ってのは難しいですね。私的良い戦闘はどういったものなのか考えてみないといけないか。
(5)戦闘の分析(脱線事項)
集団戦になると厳しくなってくるので、1対1の戦いを基本的に想定します。
戦闘の要素を考えると、
味方側
- 主戦闘者の身体能力
- 主戦闘者の特殊能力
- 主戦闘者の機転
- 主戦闘者の眠れる能力
- 主戦闘者の仲間からの援護
- 主戦闘者の過去・経験
敵側
- 主戦闘者の身体能力
- 主戦闘者の特殊能力
- 主戦闘者の仲間からの援護
- 主戦闘者の過去・経験
- 主戦闘者の周囲への影響
舞台
- 舞台の物理的環境
- 舞台の心理的環境
- 舞台の変化
- 舞台成立の経緯
ルール
- ルール
- 破られるルール
といったところでしょうか。
これらが組み合わされることによって、戦闘が成立するわけです。ただ単純にその場で組み合わせればいいと言うものではなく、実際の戦闘と戦闘とは関係ない土台部分に仕訳し、土台をガッチリ組み上げた上で実際の戦闘を行うことが重要になります。
土台部分としては
味方側
- 主戦闘者の身体能力
- 主戦闘者の特殊能力
- 主戦闘者の過去・経験
敵側
- 主戦闘者の身体能力
- 主戦闘者の特殊能力
- 主戦闘者の過去・経験
- 主戦闘者の周囲への影響
舞台
- 舞台の物理的環境
- 舞台の心理的環境
- 舞台成立の経緯
ルール
- ルール
- 破られるルール
があります。こう考えると、戦闘シーンを描くというよりは土台を組み上げた時点で8割方決まっているように見えます。
味方側の条件はほぼ所与のものであるので(連載開始直後は例外)、敵と舞台とルールを決めることが求められます。
敵を定め、舞台を考える。舞台へと如何に上手に敵味方を持っていき、知らぬ間に定められたルールへと読者をまきこみ戦いを始める。
といったところでしょうか。
逆に実際の戦闘部分は、
味方側
- 主戦闘者の身体能力
- 主戦闘者の特殊能力
- 主戦闘者の機転
- 主戦闘者の眠れる能力
- 主戦闘者の仲間からの援護
敵側
- 主戦闘者の身体能力
- 主戦闘者の特殊能力
- 主戦闘者の仲間からの援護
しかありません。
戦い方も正面衝突か機転を利かして戦うか、仲間からの援護をもらうか。せいぜいこの程度と考えられます。
ということは、実際の戦闘部位で弄くれることは殆どないという結論に至ります。
以上から考えると、どれだけ戦闘への過程を組み上げるかが重要になるのではと。
戦闘へ至るまでの要素が不足していると、どれだけ格好良く見栄を切ったとしても、「絵はいいね」という段階にとどまると思います。
盛り上がる戦闘は大抵、そこまでの過程が充実しているのではないでしょうか。心に残る戦闘は特にその傾向が強いと思います。
「戦いは始まる前に決まっている」というのはどの世界でも同じなのでしょう。
(6)でぬらりひょんの孫の感想
花開院側の盛り上げがもう少し欲しいなぁと。
第三勢力をどう扱うかで、結末が左右されそうです。
- 作者: 椎橋寛
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/02/04
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