『富井の古典文法をはじめからていねいに(東進ブックス)』
東進ブックスから発売されている富井健二講師の古典文法本。
別に発売されている読解・単語を合わせて、三部作を構成しています。
この3冊で入試に対応するだけの古文能力を物にできるということです。
同東進では荻野氏よりもがっちりした感じで、板野氏よりもテクニック偏重じゃない正統派の本を出します。
1. 概略
体系的な理解と合理的な暗記を可能。
本体のほかに要点をまとめた別冊と古典文法をリズムにのせての読んだCDが付属。
最終的には別冊を覚えることで必要な文法が十分身につく。
猫やらのかわいい感じのイラストがたくさんあります。
2. 構成
活用から助動詞、助詞、識別、敬語までの必要な古典文法を網羅。
1章の構成は項目の解説と練習問題から成っている。別冊にはその章の要点がまとめられているため、別冊を常に参照することで効率的な学習が可能。
3. 評価
(1) 長所
- 一冊本であるため、分量が以前挙げた望月文法よりも少ない。
- 講義本のため、一般的な文法本よりも分かりやすい。
- 別冊のまとめが便利。この本が終わった後でも参照用として使用できる。
- 音声の存在。
(2) 短所
- 紙質、すぐ皺になる。折れやすい。捲りにくい。
- 後ろの宣伝がウザイ。
(3) 総合評価と感想
望月文法と並ぶぐらい有名な古文導入講義本。一冊で理解・暗記・問題演習が可能。
分量が少ないのも魅力。まあ望月の方は詠みやすくするための措置として仕方ないところもあるのですが。
別冊のまとめというのは良い発想。暗記しやすいような気配りがなされているのが素晴しい。でもCDは……どうだろうか?賛否両論あるのではないかと思います。
紙質は個人的に最悪。使いづらいことこの上ない。300ページ近くある本に別冊をつけて、厚みを減らし、重さを軽減して運びやすくするための方策としては間違っていないけれども、もう少しどうにかならんものかなあと思います。読解篇の方は200ページ以下だから、そんな問題はありません。
宣伝がウザイって言うのは単なる言いがかりみたいなものです。でも単語王のもそうだけども、ページ数を取る宣伝はなんとなく気に入らないのも確か。
得点は85点。紙質改善したらもう少し上がるんだけど。とにかく紙質がどうにかならんものかね。内容は全く問題ありません、いい本です。
富井の古典文法をはじめからていねいに―大学受験古文 (東進ブックス―気鋭の講師シリーズ)
- 作者: 富井健二
- 出版社/メーカー: ナガセ
- 発売日: 2002/09
- メディア: 単行本
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