『アスラクライン』第8話「災厄の王の末娘」の復習ノート

 アスラクライン8話


1. 第8話ダイジェスト

 夜。
 玲士郎と翡翠による攻撃。使い魔らしき獣は防ぐ。
 使い魔は人を口にくわえ、そのまま逃げていった。
 玲士郎は、GDの3人に報告。
 瑶はその光景を見ながら呟いた。「これで8人目か」


OP



 サブタイトル「災厄の王の末娘」
 潮泉家。奏を囲んでいたのは嵩月組の若頭たちであった。
 外出を控えろ、学校を休めと頼む若頭を、奏は拒絶するのだった。




 翌朝、鳴桜邸。
 智春と操緒は、直貴から届いた手紙を読んだ。
 文面の内容は「悪魔の子を預かってくれ」
 そこに呼び鈴が、玄関口に出てみると、奏や嵩月組の人間が並んでいた。
 用件は奏の護衛。
 近頃、付近で「悪魔狩り」なるものが流行っており、高位の悪魔を凌ぐ凶悪犯罪者がその「悪魔狩り」を行なっている。
 だから、奏を護衛したいと言うのだった。
 智春を選んだのは、父親からの護衛を拒む奏の意思でもあった。
 と、外からヘリの音が。
 出て見ると、朱浬が女の子を抱えて飛び降りてきた。
 悪魔の子を届けに来たとのこと。
 そして、その悪魔の子自身も自己紹介をする。
 彼女の名は、アニア・フォルチュナ・ソメシェル・ミク・クラウゼンブルヒ。愛称は、ニアであった。
 結局、智春はどちらも預かることになったのである。



 ニアは直貴の知り合いで、直貴から許可を貰い鳴桜邸に住むことになった。
 加えて、ロイヤル・ダーク・ソサエティから科學部に対してもニアの護衛をするよう依頼が来ていた。
 ニアの護衛をしてくれと頼む朱浬。嫌な顔をする智春にニアが噛み付いた。
 すると、智春の身に次々と不幸が襲う。
 これがニアの能力、ラック・イーターである。
 ニアは、災厄の王であるフォルチュナ辺境伯の末娘であり、同時にクラウゼンブルヒの家系は運食らいである。つまり、他人の運気を吸い取るのだ。
 なぜ吸い取るのかと言うと、ラック・イーターは自分で運気を作り出せないため、他人から少しずつ運気を分けてもらわないといけない。
 ただ、ラック・イーターの存在は必ずしも悪いことではなく、過ぎた幸運や不幸を調整し、世界を安定させるための能力でもある。
 そんなこんなで、智春はニアのお守りないし護衛をすることになったのだった。



 一方、瑶らGDはある遺跡の捜索を行なっていた。
 魔力安定のための鉱石「ダイポール・アンバー」なるものが盗まれたとのことだ。
 盗難者は、かなりの魔力を安定させたいようだと瑶は考えるのであった。



 ニアのわがままに一日中付き合わされる智春。
 貯めていたバイト代も、忍耐も、睡眠時間も削り取られ、残るは筋肉痛のみという羽目に陥っていた。


Aパート終わり
Bパートへ



 次の日、学校にて天才少女ぶりを遺憾なく発揮したニア。
 杏はニアの歓迎会を行なおうと提案する。
 そして、放課後、科學部部室である化学準備室で歓迎会を行なうことになった。
 その歓迎会の準備をしている最中、瑶と玲士郎が姿を見せる。
 悪魔狩りの件について、ニアに聞きたいことがあると言う。
 その内容は、

  • 犠牲者の数8人、死亡者1名。被害者の共通点は大量の血液が抜き取られている
  • 使われている使い魔はスライム、これはクラウゼンブルヒ一族の使い魔
  • ニアの姉、クリスティナに疑いが掛かっている

というものだった。
 ニアはクリスティナが関わっているという話に反発し、教室を飛び出していく。
 智春たちもその後を追っていくのだった。



 操緒と奏の説得を受け、智春は更にニアを探す。
 夕方の校舎敷地内のベンチで、とうとうニアを発見した。
 すると、ニアは、自分がここにやってきた理由を話し始めた。
 その内容は、

  • 安定装置を手に入れた機巧魔神の調査(フォルチュナ家の専門分野は機巧魔神の制御系、特に副葬処女の研究)
  • 数ヶ月前、洛高に留学していたが行方不明になったクリスティナを探しに来た

と言うことであった。
 そして、ニアは、智春にある場所へ連れて行くよう頼んだ。



 川沿いにある町の病院、悪魔狩りの犠牲者が入院している場所である。
 犠牲者に「なぜクリスティナが関係しているか」について聞こうと考えたが、意識が戻っている人間は居らず、空振りに終わる。
 帰りがけ、エレベーターを降りた先はちょうど多くの人が運び込まれている最中であった。
 彼らは奏との知り合い、つまり悪魔であった。
 悪魔狩りが実際に行なわれていることを智春たちは目にするのだった。





 そのとき、河原方面から爆音が。智春たちは外へと向かう。
 ちょうど、玲士郎たち第一生徒会が、使い魔を追い込んでいる最中であった。
 正体を見せた使い魔を玲士郎は捕らえることに成功する。
 GDの里見が自らの機巧魔神「蒼鉛(ビスマス)」を駆って、止めを差しに向かう。
 智春らも現場に到着。
 蒼鉛が攻撃しようとした突如、地中から鎖が現れ、使い魔に魔力を注ぎ込む。
 使い魔は巨大化し、姿を変えた。
 更に地中からは、謎の機巧魔神が。
 その光景を玲士郎は見て言う。「まさか……、アスラクライン
 機巧魔神と使い魔は大量の魔力エネルギーで結ばれる。
 そして、アスラクラインたる機巧魔神が完全に姿を現したのだった。


ED


次回「存在するはずのない禁忌の存在」




2. 第8話までのまとめ
(1)登場人物

  • 夏目智春-

第1話
 主人公。現在は高校1年生。
 中学時代には陸上とバイトに励む普通の生徒だった。
 両親の再婚により家を追い出され、洋館に住み着くことになった。
 中学時代に飛行機事故で大怪我をし、その時操緒に取り憑かれた。
 兄である直貴にコンプレックスがありそうだ。
第2話
 アスラ・マキーナの演操者となった。
第3話
 機巧魔神の演操者。自らの影からいつでも黒鐵を召喚できる。
 科學部に入部した。
第5話
 体調が悪いと黒鐵を呼び出せないようだ。
第7話
 3年前の飛行機事故の際、飛行機の部位の下敷きになったような描写が見られる。

第1話
 同い年の少女。3年前の飛行機事故から智春に取り憑く幽霊。
 見える人間が限られているらしい。何らかの要素を持つ人間のみが視認できる?
 どのようにして着替えているのかは謎。
第2話
 生霊のような存在でありながら、アスラ・マキーナによる物理的攻撃には対処できる模様。
第3話
 黒鐵の副葬処女として、「生きている」状態。
第5話
 智春とリンクしている可能性がある。
第6話
 安定装置を黒鐵が取り込むことにより、周囲誰しもが視認出来る様に。
 洛高に編入した。
第7話
 3年前の飛行機事故の際、中学校の制服を着ている。外に更に上着を羽織っている。

  • 嵩月奏

第1話
 クラスメイト。
 巫女っぽい服を着ているときがある。
 炎の能力を使えるらしい。
第2話
 悪魔である。悪魔や演操者、機巧魔神に対する知識を持っている。
 嵩月組社長の一人娘である。そのため、あまり友人はいないようだ。
 智春を護るために戦う存在。
第3話
 科學部に入部。
第5話
 保険委員である。
第7話
 智春との関係に関わる話になると妄想モードに入るときがある。

  • 黒崎朱浬

第1話
 高校2年生。科學部部長代理
 直貴の知り合い。イクストラクタとそれに纏わるトラブルを運んできた。
 何か知っているようだ。
 体から銃器やら刃物やらをバンバン出してくる危険な人。
第2話
 ロイヤル・ダーク・ソサエティとの繋がりが深い。
第3話
 第三生徒会(ロイヤル・ダーク・ソサエティ)との関わりが深い。
第4話
 第二生徒会の六夏とは仲が悪い。
第5話
 双子の妹に紫浬がいる。
 瑶と知り合い。
 3年前の飛行機事故と関係している。
第6話
 昔は結構乙女チックな学生だったようだ。
第7話
 3年前の飛行機事故に妹紫浬と共に巻き込まれた
 最初自分のことを紫浬だと認識していた。恐らく今でも変わっていないようだ。
 ただ、対外的には朱浬として振舞っている。
 自身を朱浬と認識する瑶に対して、反発している。

  • アニア・フォルチュナ・ソメシェル・ミク・クラウゼンブルヒ

第8話
 愛称はニアという。
 災厄の王であるフォルチュナ辺境伯の末娘であり、運食らいであるクラウゼンブルヒの家系に生まれた。
 いわゆる天才であるが、運動能力は低い。
 ラック・イーターと呼ばれる能力を持つ。相手の運気を吸い取り、または分け与えることによって幸不幸を調整することができる。
 日本にやってきた目的は2つ。
 1つが、安定装置をつけた黒鐵とその副葬処女である操緒についての調査
 もう1つが、行方不明になった姉の捜索。

  • 佐伯玲士郎

第1話
 変な白い服を着た集団の長。
 実力行使を厭わないタイプらしい。
第2話
 イクストラクタを回収しようとするが失敗。智春を演操者にさせてしまう。
 玲子の兄。
 第一生徒会会長にして神聖防衛隊隊長。
 「演操者と悪魔の交わりによる禍」を防ぐため、智春か奏のどちらかを排除しようとする。
第3話
 翡翠の演操者、哀音を副葬処女とする。
 「禍」を二度と引き起こさないことが行動原理。そのためには智春と奏を抹殺することも厭わない。
第8話
 GDの指揮下で活動に参加することがある。

  • 佐伯玲子

第1話
 クラスメイト。中学でのミスコン優勝者。
 美人で、気が強い。
第2話
 玲士郎の妹。
 「怪物」の誕生を防ぐため、智春と奏の交わりを絶とうとする。
第3話
 なるべく穏便に禍を除こうと考える。
 哀音に対して負い目を持っている。
第4話
 哀音を視認することが出来ない。

  • 樋口琢磨

第1話
 クラスメイト。
 女たらし。そのため女性関係の情報には詳しい。
第4話
 科學部に入部していた。

  • 大原杏

第1話
 クラスメイト
 中学時代は陸上をやっていた。高校でも続けるらしい。
 大原酒店の娘。智春と一緒に仕事をしている。
第2話
 陸上部に入ったようだ。

  • 夏目直貴

第1話
 智春の兄。
 学生でありながら世界を飛び回る。
 いくつもの特許を持ち、大企業とのつながりも深い。
 鳴桜邸の家賃を支払ってくれているぐらい金も持っている。
 陰で暗躍しまくっている。
 顔は出てこない。
第2話
 ロイヤル・ダーク・ソサエティから奨学金を貰っていた。
 嵩月組にも名声は届いている模様。
第3話
 鳴桜邸を科學部のたまり場としていた。
第7話
 飛行機事故の現場に女と共に姿を見せた?
 紫浬に対して、代理人の女を通して取引を持ちかけた。何の取引かの詳細は不明
第8話
 ドイツでニアと会っていた。
 ニアに鳴桜邸で居住する権利を与えた

  • 潮泉老人(大家)

第2話
 屋敷の奥深くに引きこもっている変人。
 螺旋大好き。
第7話
 朱浬の修理を行なっていた。

  • 潮泉律都

第2話
 奏の知り合い。
 自動車免許を持っている。
第6話
 武器や薬を作ることが出来る。
 そういや、回想シーンに出てくる女性に似ている。
第7話
 朱浬の修理を行なっていた。

  • 第三生徒会会長

第2話
 朱浬と知り合い。
第3話
 過去にGD(学生連盟)のヘリに乗り、玲士郎のいる船へと向かったようだ
 第三生徒会会長。悪魔を保護する権限を持っている。

  • 倉澤六夏

第4話
 第二生徒会会長。
 第二生徒会の人間らしく、経済観念が発達している。
 太ももに二挺拳銃を装備。美人だが人相が悪い。
 普段は三つ編みと眼鏡で凶悪さをなるべく隠そうと試みているがあまり効果は無いようだ。

  • 姫笹

第4話
 「翠晶」の副葬処女。

  • 真日和秀

第4話
 使い魔を捨てた男。
 しかし、周囲からの攻撃や説得に押され、使い魔を受け入れた。
第5話
 第二生徒会に所属していた。
 恩義よりもお金を優先するタイプ。第二生徒会の人間らしい性格である。

  • 雪原瑶

第5話
 機巧魔神「白銀」を使う演操者。
 男に見えるが女である。
 朱浬と対立している。
第7話
 父親に白銀のイクストラクタを託される。
 3年前の飛行機事故に遭遇。その際、黒崎紫浬を副葬処女として捧げ、白銀と契約を行なう。
 その後第一生徒会に所属、さらにGDへと移る。
第8話
 移籍などの知識は豊富。
 里見との仲はあまり良くないようだ。

  • 里見恭武

第6話
 GDの一員。
第8話
 「蒼鉛」を操る演操者。
 選民意識のようなものが見られる。

  • 千代原はる奈

第6話
 GDの一員。京都弁を使う。

  • 黒崎紫浬

第7話
 朱浬の妹。
 役者としての才能があったらしい。
 3年前の飛行機事故の際、瑶によって白銀の副葬処女に捧げられる。
 が、紫浬自身は直貴らとの取引により生きているような描写も見られる。
 ただ、詳しくはよく分からない。




(2)第8話までの用語集

  • 病院から出て行った謎の男

 謎。
 ただ、第7話での描写を見るに夏目直貴である可能性。

  • 鳴桜邸

 幽霊が出そう。
 あとセキュリティに問題がありそうだ。
 ぶっ壊されまくっている。
 科學部のたまり場。直貴が決めた。

  • 第1話回想シーンでの会話

 詳しくは不明。とりあえず重要そうだ。

 「それが君の選択なの」「辛い思いをすることになるわよ、智春」
 操緒らしき少女を見て、智春は答える。
 「それで、あいつが救えるのなら」

  • 3年前の飛行機事故

 事故に巻き込まれたのは、智春、操緒、朱浬、紫浬、瑶。
 現場に直貴が姿を見せた可能性がある。

  • 機巧魔神(アスラ・マキーナ)

 何か凄い力を持つロボット。機体によって能力が異なる。
 射影体がいる人間が呼び出せるようだ。
 現状出てきたのは6種類。
 1つ目 奏の家の倉庫にあった、白(銀)っぽい
 2つ目 玲士郎が呼び出した、翡翠
 3つ目 智春が呼び出した、黒鐵。
 4つ目 六夏が操る、翠晶。
 5つ目 瑶が操る、白銀。
 6つ目 里見が操る、蒼鉛

  • 演操者(ハンドラー)

 機巧魔神を使える人間。
 現状、智春と玲士郎、六夏、瑶、里見の5人が使用可能と判明。
 悪魔と結びつくことによってアスラクラインとなり、とてつもない禍が生まれるらしい。

 機巧魔神など様々なものが入れられるトランク。
 二階から投げても壊れない丈夫さ。
 機巧魔神が入っていた場合、女性を副葬処女として捧げることにより、機巧魔神との契約がなされる。

  • 射影体

 操緒のような幽霊を指すらしい。
 機巧魔神に捧げられた人柱の霊。人柱は生きているらしいので生霊。
 中で生存しているとされている。
 黒鐵の操緒、翡翠の哀音、翠晶の姫笹、白銀の紫浬?の三人が判明。
 演操者の体調にも左右されるようだ。

  • 副葬処女(ベリアル・ドール)

 機巧魔神に捧げられた少女。
 機巧魔神の胸の中にあるカプセルの中で体を抱え、目を閉じた状態で存在する。

  • 悪魔

 奏のような能力者の事を指すようだ。
 演操者と結びつくことによって、禍(アスラクライン?)が生じるとか。

  • 使い魔(ドウター)

 契約者と悪魔の間に生まれる子。
 契約者に対する悪魔の想いの結晶。
 成体になると落ち着く。

 武器を持ったり、武器を生み出したりして攻撃することが出来る人形

  • 機巧護衛機(カスタス・マキーナ)

 一巡目の世界の遺産にまつわる遺跡の守護者。
 多足類な形状をしている。

  • 広域指定悪魔結社嵩月組

 暴力団じゃなくて悪魔結社。
 暴力行為も厭わない人たちである。
 若頭は炎使いと、炎を扱う人たちが多いようだ。
 奏は組の活動を嫌っている模様。

  • 科學部

 直貴が智春のために作った部。
 理科教室棟の化学準備室が部室。
 現在の部長代理は朱浬。
 智春、奏、操緒、樋口が現在確認されている部員である。
 第三生徒会(ロイヤル・ダーク・ソサエティ)の傘下にある。

  • 第一生徒会(神聖防衛隊)

 会長は玲士郎。悪魔を排除し、世界の均衡を保つために存在する。
 隊員は銃で武装しており、実力を行使することも多い。

  • 第二生徒会(巡礼者商連合)

 会長は六夏。
 カルヴァニズムを信奉しており、経済意識が強い。
 金稼ぎこそ神の思し召しと考える集団。
 真日和もここに所属

 朱浬の知り合いである女性が会長と考えられる。
 直貴とのつながりも相当深いと思われる。

  • GD(学生連盟)

 第三生徒会と繋がりがあるようだが、詳しくは不明。
 瑶、はる奈、里見の所属が確認されている。

 生徒会間の戦いのこと。

  • 安定装置(スタビライザ)

 機巧魔神のプラグイン
 射影体を特定の能力者以外の人間にも見えるようにする。

  • 一巡目の世界の遺産

 二巡目の世界へ伝えられた物。
 機巧魔神やそれにまつわるものが保管されていることが多いようだ

 演操者と悪魔の交わりから生まれる禍。
 強大な力を持つ。



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