『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』第4話「梅雨ノ空・玻璃ノ虹」

 ソラヲト第4話
1.話の概要
 カナタが、ノエルと共に買出しに出かける回。ノエルのキャラ説明と、ノエルとカナタとの関係強化に加え、

  1. 日常の街の姿
  2. カナタには話されていない隊の秘密
  3. 街と軍の関係確認(過去の戦争とそれに伴う戦争孤児などの社会問題)
  4. 過去の戦争による技術喪失と現在

などの事項が登場した。
 第1話でカナタ、第2話でクレハ、第3話でリオ、第4話でノエルと来たのだから、次の話はフィリシアなのだろうか。
 もうそろそろ本題に入っていきたいところだ。


2.ストーリー面での感想
 今回の話も流れとしては悪くない。
 平常時の街や幼い反発、技術喪失と設定を明らかにしつつ、今まであまり関係性が深まっていなかったノエルとの関係を二人で行動させ、話合わせることで近づけた。
 しかし、掴みの弱さが目立つ。
 それは、設定の説明が先走ってしまっているからだと考えられる。4話まで見る限り、この「ソラノヲト」が形成する世界に対しては関心を持つことが出来たが、そこで生きる登場人物、特に主な面子であるカナタらに対して、さほど気にならない。ガツンとグワシと心を掴むモノが感じられないのだ。
 もちろん、設定を説明しなければ、何をやってるのかすら理解できないのだから、設定を説明することは重要だ。例えば、つい最近まで自分が一番見ていたアニメは圧縮しすぎて、辛いことになっていた。
 設定説明と登場人物の行動で組み立てられるストーリーがもう少しバランスよく構成されれば、作中で思い切り述べられていたが「登場人物に何をさせたいか」ではなく「登場人物が何をしたいか」が強くなれば良いと思う。


 その点において、カナタの期待値が上昇してきた。
 キャラもしっかりしてきたし、絵柄も可愛くなってきた。4話は動きも合わせて、可愛らしいものだった。かなり可愛かったと思うんだけど、ってこれは主観に過ぎるか。
 ただ、台詞がちょっと言わされている感が強いのが勿体無い。時間の経過(話数の積み重ね)とそれに伴う変化する状況が考え方や行動原理を修正し、あるいは強化して、心を打つような主人公になってくれたら良いのになぁと考える。


 そこで心配な要素は、作中の世界。
 衰退、退廃した印象が強い世界で、この先の希望や未来を感じさせてくれない。
 隊自体からも同様の印象を受ける。
 これは、良く似てる似てると言われるARIAと真逆(ARIAも実は裏設定でとんでもないことがあったりするのかもしれないけど、知らない)だ。
 将来の目標はあっても、未来や希望が見えない世界で真っ直ぐを貫き通すのは困難だと思う。真っ直ぐを貫き通したとしても、その先に何があるわけでもなさそうだからだ。
 逆を言うと、そんな厳しい状況においても、真っ直ぐさを描ききれたなら非常に価値のある一作になると思う。
 という訳で、あと8〜9話に期待していきたい。


3.その他感想
 カナタは中々可愛くなってきた。と繰り返し。


 OP、最初は映像に違和感あったけれど、今回の話を通して大分マッチしている気がしてきた。


 相変わらず、西洋的で日本的な世界観で混合度合いが違和感あるとともに、見てて楽しい。そして、背景きれい。


 ここの会話に疑問符。

ノエル「でも……、機械は人を傷つけることもある。タケミカヅチも……、きっと昔、たくさん人を殺してる。昔、人を殺した機械は、やっぱり恐いと思う?」
カナタ「うん……」
ノエル「……」
カナタ「でも、もっと恐いのは機械じゃなくて……、それを使ってた人たち……かな」

 使ってた人が悪いのか、使っていなければ悪くないのか、直接手を下した人は悪いのか、直接手を下さざるを得なかった人たちは悪いのか。
 ちょっと微妙な返答の仕方だなと思った。


 絶対音感の設定を初期にわざわざ明示しておく必要なかったなぁと、作中で十分説明がついてる。わざわざ明示すると、安っぽく見えて勿体無い。


 カナちゃん可愛くなってきたよね。


 以上です。ではでは。

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