『迷い猫オーバーラン!』第1話 松智洋(原作) 矢吹健太朗(漫画)(SQ2010年2月号収録)

 話としてはテンプレート的な第1話。
 絵と併せて、満足度はそこそこといったところ。
 では以下で、細かな感想を書きます。画像はありません。だってですね、LOVE様とか考察様とかその他サイト様行けば死ぬほど見られるじゃないですか。それ以上見たいならSQ買えばいいわけですし。
 言い訳はとにかく、感想です。


(1)話
 主人公、主要ヒロインである4人の女の子、サブキャラの男2人のキャラ紹介がなされました。
 ありがちな話ですけど、逆を言えば手堅い第1話とも言えます。どのくらいの連載期間になるのかよく分かりませんが、そこそこは続けられそうな感じでした。
 余談ですが、最後の締め方が「この続きは小説で!!」と書いてあってもおかしくねぇなとw 上手く締まっている分、ちょっとそんな印象も。
 ただ、これから先を考えるに、1話につき、一つのイベントだと少し間延びしそうということです。50ページ前後描くとしたら、短編を2話ずつ積み重ねていく方が、テンポがよくなるんじゃないかなと思います。キャラを尖らせて、日常を描くのだから、イベント以上にキャラの掛け合いがポンポン進んでいくのが良いのではと。


(2)作画
 絵ですが、上手いこと中程辺りを突いているなと思います。原作絵と矢吹特有の絵をミックスさせた中間地点ですね。絵の面で大きな不満を抱くことはなさそう。まあ、どっちつかずと言われるかもしれませんが、少なくとも両方とも好きな自分としては良い落としどころに至ったんじゃないかな。


(3)登場人物
 次に各ヒロインとサブキャラを見てみます。
・芹沢文乃
 すばらしくテンプレなツン幼なじみ。「・・・・・・だからっ」は口癖なのでしょうが、あまり多用しない方が可愛さが出てくる気がします。何度も何度も使うと、くどさが先に立ちますし。
・霧谷希
 「影のあるー」なよくあるキャラです。貞操観念が発達していないのも特徴的。単純に考えると、猫が何らかの原因で人間化したみたいな、ダカーポメイドさんみたいな、そんな感じでしょうか。例えが古い。
・梅ノ森千世
 こらまた、びっくりするくらいテンプレなお嬢様。上履きを脱いでグリグリする辺りは優しさを感じさせます。お金や手段を提供してくれるキャラとして有効性が高そう。
・都築乙女
 姉さんはこらまたいそうなお姉さまキャラ。様々なトラブルを巧たちにもたらすであろうことは想像に難くありません。
・その他
 サブキャラの男二人、脳筋とオタク。北側寒囲、長谷川藍、佐野晋一郎シナリオのエロゲをやり慣れた方なら、「ああいつものか」と思ってしまうような取り合わせ。この3名を挙げた理由は、原作の挿し絵の人が原画をしているエロゲのシナリオをよく書いているからです。特に北側エロゲではほぼ毎回出てきます。比率高すぎてビビります。ひょっとしたら同一人物かもしれません。さすがにないか。
 忘れてました。主人公はフツー。妙な不快感を与えないような主人公づくりをしていってほしいですねぇ。


(4)感想
 よく分からんところことが一つ。
 ストレイキャッツってどうやって営業しているんでしょうね・・・・・・。
 朝一で主人公がさわやかに掲示板出したりしてますけど、そもそも乙女さんいないと商品ないし。従業員が高校行ってしまうのに、店だけは開いてるとかそんなことがあるんでしょうか。
 きっとほかに売り子のおばちゃんとかがいるんでしょう。そう考えておくことにしておきます。


 べた褒めする内容にも、酷評する内容にもなりそうにないですが、「特徴あるキャラクターの掛け合い」と「可愛さを併せもったこだわりあるエロ」が楽しみになりそうな、そんなマンガです。
 最後の締めで、妙に悪そうなキャラを出してこない限りはある程度ストーリー的にも成功になりそう。ってか出さないでね。