『アスラクライン2』第23話(第10話)「残る命、散る命」の復習ノート

1. 第23話ダイジェスト



律都「ブラックホール生成実験。電子や陽子を光速まで加速させ、人工的にマイクロブラックホールを生成することが目的。ブラックホールを安定的な電力供給源として、人間の生活はより豊かになるはずだった」
律都「だけど・・・・・・、実験は失敗し、生み出されたのは異世界への門だった。それは、異形の魔物と逃れようもない破滅をもたらした。そして・・・・・・、神に見放された人間は、悪魔と取引をした・・・・・・」

 十字稜から少し離れた場所にある超弦重力炉、そこでのブラックホール生成実験の失敗。
 中心にいた者たちは、機巧魔神を作り、世界を破滅より救おうと試みるのだった。

奏「律都ちゃんが悪魔に」
律都「私だけじゃないわ。あの事故の中心近くにいた人間の多くが、こうなったの」

 律都は両目を開く。すると、眼の色が変わっていた。悪魔二なったことを示す証だ。

律都「これが世界の破滅の真相よ。中央渦界領域の最下層には、未だ異世界への門が存在している。それがある限り、この世界は確実に滅ぶわ」
智春「止める方法はないんですか」
律都「それがあなたの選択なの?」
智春「えっ・・・・・・」
律都「この世界を救うこと? それとも、あなたの世界に戻ること? 選ぶのはどちらかしら」

 悩む智春。
 律都は実験の中心人物である夏目直貴、一巡目の夏目直貴を紹介することにした。
 ちなみに、律都の恋人である。



 サブタイトル「残る命、散る命」
 ニアは直貴の居場所まで、智春を案内する。

ニア「直貴が居る場所は、超弦重力炉の内部。だが、そこは通常の空間と位相が異なる」
操緒「どういうこと?」
ニア「平たく言えば、異世界、魔界と言ってもいいかもしれん」
智春「そんな場所に、どうやって?」
ニア「ここの最深部に魔境と呼ばれるルートがある。ただし、魔境を渡れるのは悪魔と契約者、そして副葬処女だけだ」

 奏が呼ばれなかったのは、その為であった。魔力が使えない=悪魔ではない状態の奏では、異なる位相を渡ることが出来ないのだ。
 直貴は、異世界の中、次元潜航チェンバーうずしお内部に居る。
 黒鐵もそこに。更に、黒鐵だけではなく、他の全ての機巧魔神を直貴が管理しているため、そこに存在していた。
 ニアたちは、扉の先、螺旋階段を降り続ける。異界への入り口である魔境は時間も空間も通常とは異なっている。
 延々と降り続け、ある時、ようやく智春たちは魔境へ辿り着く。そして、今度は延々と落下し続けて行った。




 智春が気づくと、どこかの通路に出ていた。
 辺りを見回すと、女性の裸体の彫像が所狭しと並んでいた。
 智春に男の声が掛かった。智春が見ると、そこには夏目直貴がいた。
 簡単に自己紹介を済ませ、直貴は語り始める。

直貴「この彫像は、魂を失った少女たちの、生きた証だよ」
智春「魂を失った・・・・・・、まさか!」
ニア「副葬処女として捧げられ、魂を失った少女たちの肉体だ」

 操緒が奏を発見する。なぜ奏が居るのかと智春は思うが、弟の死ぬ間際を見たはずだと言う直貴の言により、誰だか気づいた。

直貴「弟が鋼を手にしたとき、嵩月奏は自らの身を捧げた。親友である水無神操緒を救いたいからと言ってね。一巡目の世界での話だが」

 悲痛な顔をする直貴。ただ、すぐに表情を切り替えた。
 直貴は、黒鐵を修理次第、智春たちを二巡目の世界へ戻すと言う。
 智春が、滅びを止めるため何か自分に出来ることはないかと訊くも、直貴は「何もない」と答える。
 この世界が滅びることは既に決まった。滅びを防ぐ方法はかつて在ったが、知っても意味が無いと言う。
 智春は食い下がる。
 とうとう、直貴は根負けし、滅びが不可逆である理由を示そうと、とある映像を見せた。



 映像を示し、直貴は説明を始める。

智春「これが・・・・・・、異世界の門・・・・・・」
直貴「ブラックホール実験が失敗し、暴走した時、偶発的に膨大な量のエネルギーが生み出され、異世界の門が開かれた。この世界は、異なる世界と混じり合い、その存在を排除されつつある」
ニア「世界そのものの存在が否定され、消滅されること・・・・・・、それが一巡目の世界の非在化、世界の滅亡だ」
智春「どうすれば止められる」
直貴「非在化した世界は異世界の門へ落ち、完全に消滅する。門を閉じ、世界を元のあるべき姿に戻せば、非在化も止まるだろう」
智春「だったら、早くしないと」
ニア「・・・・・・出来るのなら最初からしている」
直貴「門を消滅させるには、開かれた時と同等のエネルギーをぶつけて相殺しなければならない」
ニア「それが出来るのは最強の機巧魔神、鋼だけだ。だが、こちらの世界の智春でも失敗している」
直貴「だからこそ、あいつは世界をやり直す選択をしたのだ」
智春「そんな・・・・・・」
ニア「それに、鋼は今、塔貴也の手にある」
直貴「僕は機巧魔神の管理者であって、支配者じゃない。演操者と正式な契約で結ばれた機巧魔神を操ることは出来ない」

 鋼を使っても異世界の門を閉じることは出来なかった。更に鋼は今、こちらの手にない。
 直貴とニアは分かってくれたか、と言わんばかりに話を打ち切ろうとした。



 そこに、操緒が素っ頓狂な提案を行う。
 黒鐵と白銀を合わせ、鋼と同じ能力を持った機巧魔神をもう一機作り出そうと言うものだった。
 智春はそんな馬鹿みたいなこと、と思うが、直貴とニアは驚いた表情をする。
 専門が故の視野狭窄であろうか、素朴な考えであるものの、考えようともしなかったことだった。
 重力制御能力を持った黒鐵、空間切断能力を持つ白銀、二機を合わせれば、完全な空間制御能力を持つ機巧魔神になるわけである。
 だが、ニアは反対した。演操者と副葬処女、両者への影響が心配されると言うのだ。
 直貴は、もう一度考え、智春に対し言った。

直貴「お前たちは二巡目に戻り、弟がやり残したことをやってくれ」
智春「それじゃあ、この世界の人が!」
直貴「ここで死ぬことが、お前の望みなのか。お前の望みは、お前の世界に戻ることのはずだ」

 それでも、智春は引かない。ニアに黒鐵と白銀を合わせるよう要求する

智春「それでも、この世界を救えるなら、やってみたい」

 操緒も智春がやりたいなら構わないと賛成する。
 直貴とニアは智春の目をじっと見る。
 智春には、もはや退く様子は見られなかった。
 二人は折れ、変わらない智春にクスリと笑いながら、試してみると言うのだった。




 その時、船内にアラームが響いた。
 はぐれ使い魔が異世界の門を通り、こちらの世界へ来ようとしていた。

律都「直貴さんは、門のすぐそばでそれを食い止めているの。次元潜行チェンバーうずしおは、機巧魔神の母艦であり、我々の前線基地でもあるのよ」

 律都の言うとおり、艦を中心とした戦闘が開始された。
 内部に侵入した使い魔を智春が排除する。
 ニアは、艦内奥で黒鐵と白銀の融合実験を始めていた。



 制御室では、奏は智春の様子を見ていた。
 耐えきれず、智春を助けるため出ていこうとするも、律都が止める。
 やはり、奏はまだ悪魔であり、非在化は止まっていなかった。
 とどめられ、奏は仕方なく元の場所に戻る。
 制御室正面、カプセルの中にいた一巡目の操緒の手がかすかに動いた。


Aパート終了
Bパートへ



 侵入した使い魔を排除し終わった智春たちは、船外に出て近づく使い魔を倒していくことになった。
 魔精霊を用い、使い魔を打ち倒しながら、智春と奏は駄弁り始めた。

操緒「智春、悪魔の力使いすぎると、非在化して消えちゃうよ〜」
智春「怖いこと言うなよ……」
操緒「泣いてお願いするなら、操緒が契約してあげても良いけど」
智春「なんだよそれ。そもそも、副葬処女と契約出来るのか?」
操緒「出来ないかなぁ」
智春「それ以前に、契約の仕方知らないし。いいんだ、別に」
操緒「どうして?」
智春「男の悪魔は、契約者の記憶を失っちゃうだろ。操緒のことを忘れるのは……やだよ」
操緒「智春……」
智春「有る事無い事吹き込まれそうだからな。一万円貸した〜とか」
操緒「智春!」
智春「冗談だって」
操緒「ん〜、でも、非在化しちゃうのも、記憶を無くすのも、どっちもやだね」
智春「無くしても、また作ればいいんだよ。無くすよりもたくさんの記憶を、思い出を作ればいいんだ。そうすれば、誰も不幸になんかならないんだ」
操緒「智春……、ってキンモッ!!」
智春「いいだろ、たまには格好いいこと言ったって」
操緒「智春らしくない」
智春「たまには良いだろうが……」



 艦内奥ではニアが、融合を終了させた。
 疲労の色が出始めた智春に、直貴の声が届く。

直貴「良く持ちこたえたな。作業は完了した。呼べ、お前の機巧魔神の名を」

 智春はいつものように操緒に頼み、あの名前を叫ぶ。

智春「来い、黒鐵っ!!」

 智春の新しい機巧魔神が現れる。召喚の際に、負荷がかかったものの、幸運にも何も起こらなかった。
 黒鐵は、白銀のパーツを身に纏い、融合したことを如実に示していた。



 智春は黒鐵に命令する。
 すると、幾重にも魔法陣を重ね、その破壊力を高めた黒鐵の重力球が、異世界の門に集まった使い魔に発射される。
 使い魔は瞬く間に消え失せる。智春はその破壊力に驚いていた。
 実際、鋼の出力を上回る数字をグラフ上に叩き出していた。



 うずしお異世界の門へと近づけつつ、直貴は門を閉じるための方策を智春に言う。
 それは、黒鐵改の力を限界まで用いて、打ち消すという策だった。
 智春は、操緒の体を案じる。
 そこに、操緒が現れる。

操緒「操緒なら大丈夫だよ」
智春「大丈夫って……、そんな訳ないだろ」
操緒「言ったでしょ。私の代わりに誰かが傷ついたり、悲しんだりするのは嫌だって」
智春「操緒……」
操緒「智春、やろうよ。一緒にこの世界を守っちゃおう」
智春「だけど……」
操緒「操緒は絶対に消えないよ。何があっても、ずっと智春の元に取りついててあげる」
智春「分かったよ、操緒」
操緒「うんっ」




 智春が黒鐵に命じて、門へと打ち込もうとしたところ、黒鐵に向けて光線が放たれた。
 煙が収まり、智春が遠くに見たのは禍々しいモンスターの姿だった。
 直貴は、あれは門の門番で、一巡目の智春が一度撃退したが、再び現れたと言う。
 門番の攻撃、黒鐵は次元を切り開き、光線を防ぐ。
 斬りかかってきた門番を、黒鐵は弾き返す。その隙を狙い、重力弾を打込むも、門番の光線によって軌道をズラされる。
 狼狽する智春に向かって、門番は光線を放った。
 智春に直撃する寸前、聞き慣れた声が窮地を救う。

 「焔月!!」

 奏の声であった。奏はありったけの魔力を用いて、光線を押し返す。
 だが、その代償として、直後に奏は倒れた。
 再び斬りかかってきた門番を黒鐵は受け止める。
 智春は、短期で決着を付けるため、黒鐵に加えて、魔精霊も起動させる。
 魔精霊が門番を押さえつけ、黒鐵で両断する。
 こうして、門番は消滅した。



 智春は奏の元へ駆け寄り、抱き上げる。
 奏の体は非在化が進んでいた

智春「非在化。どうして……」
奏「ごめんなさい……。ずっと一緒に居たかったんです。夏目くんと……」
智春「喋るな。今助ける」
奏「こんな私を好きって言ってくれたこと、嬉しかった。だから、それだけで……」
操緒「駄目だよ、そんなの。もっと、幸せになっていいんだよ。欲しいものは欲しいって、好きな人には好きって叫んでいいんだよ」
奏「水無神……さん」
操緒「こんな幽霊の、小姑付きのどヘタレで良かったら、幾らでもあげるんだから」
奏「素敵ですね……、そうできたら……」
智春「嵩月……」
奏「夏目智春、汝は我、嵩月奏の生涯の契約者となることを誓うか」
智春「ああ、誓う。だから……」
奏「許し……ます」

 奏は気を失った。



 智春は門を閉じに掛かる。
 黒鐵に命じて、全力全開に魔力を発動、圧縮し、発射させた。
 だが、船内では直貴が懸念していた。
 ニアが姿を見せ、状況を訊ねる。
 出力の不足により、門が閉じられない。一巡目の智春の時と同じく、門番である使い魔との戦いで浪費してしまったためだった。このままでは、副葬処女が消滅してしまう、と直貴は答える。
 ニアは、即中止するよう智春に言う。
 一方、別の部屋にはある人影が現れていた。



 その人影は、一巡目の操緒だった。悪魔化し、非在化が進んでいる。
 場所は副葬処女たちの肉体が収納される部屋。
 隣のカプセルへと入り、黒鐵の副葬処女となろうとしていた。
 ニアは止めようとするも、操緒は聞かず、カプセルへと入り、副葬処女となった。



 苦戦する智春の前に現れて言う
操緒「大丈夫、智春には操緒たちがついてるよ」
 一巡目の操緒の力を得た黒鐵は、出力を増大させ、遂に、門を閉じることに成功した。
 世界の非在化も止まり、一巡目の世界に平穏が訪れた。
 通路の彫像には、一巡目の操緒が新たに加えられた。



 翌日、鳴桜邸。
 智春たちは、二巡目の世界に戻るため、外に出た。
 奏は、非在化を止めるためのカプセルに入れられていた。
 直貴は、智春に一つのプラグインを手渡した。

智春「点火装置……?」
律都「解析の結果、それは魔神相剋者だけが使うことの出来る『因果律制御装置』だと分かったわ」
智春「因果律制御装置?」
直貴「この世界の全ての事象には、原因と結果がある。それを因果と言う。これは、その因果を自在に制御出来るんだ」
操緒「はいっ! もっと簡単にお願いしますっ」
ニア「点火装置と鋼さえあれば、自分の望むように世界を作り変えることが出来るのだ。時空と因果を操ってな」
智春「それじゃあ、まるで神様みたいな……」
ニア「荽塔貴也が為そうとしていることは、まさにそういうことだ。失った人間を取り戻そうとしているのだからな」
操緒「そんな大事なの、智春に預けていいの。なんだかすっごくヤラしいことに使っちゃうかもよ」
智春「使わないよ!」
直貴「お前なら間違った選択はしない。僕の弟だからな」
智春「兄貴……」
直貴「本当に感謝している。この世界の破滅は止まり、一巡目の世界は二巡目の世界に追いつかれることはない」
律都「私たちの世界の未来が始まるの」

 こうして、点火装置は智春の手に預けられた。




 そこに、杏が姿を見せる。智春が呼んだのだ。
 智春は、杏にクリスマス・パーティの誘いに対して、断りを入れる。加えて、この先会えることはないということも告げた。
 共鳴した記憶や、一巡目の智春の行動、自身のこれから先を考えて、伝えておかなければいけないことだった。

直貴「時間だ。異世界の門はまもなく閉じる。その前に、お前たちを二巡目の世界に還す。僕の機巧魔神の力で」
智春「兄貴の機巧魔神って……、もしかして」
直貴「うずしお……、その真の能力は時空移動能力。かつてこの世界を救うために、うずしおの力で異なる世界へ旅立っていった。だが、この力を使うのはこれが最後だ。さよなら……、智春」

 こうして、智春たちは二巡目の世界に戻ったのであった。


ED


次回「君への想いが世界を壊す」



2. 第23話までのまとめ
(1)登場人物

  • 夏目智春-

第1話
 主人公。現在は高校1年生。
 中学時代には陸上とバイトに励む普通の生徒だった。
 両親の再婚により家を追い出され、洋館に住み着くことになった。
 中学時代に飛行機事故で大怪我をし、その時操緒に取り憑かれた。
 兄である直貴にコンプレックスがありそうだ。
第2話
 アスラ・マキーナの演操者となった。
第3話
 機巧魔神の演操者。自らの影からいつでも黒鐵を召喚できる。
 科學部に入部した。
第5話
 体調が悪いと黒鐵を呼び出せないようだ。
第7話
 3年前の飛行機事故の際、飛行機の部位の下敷きになったような描写が見られる。
第13話
 機巧魔神を使う代償を理解する。
第14話
 洛芦和の遺跡に在った研究所の施設で、一巡目の世界の存在を明確に認識する。
第15話
 直貴に会わなければいけないと強く考えるようになる。
第16話
 操緒の体を気遣うあまり、機巧魔神を使えない。
第17話
 黒鐵を使う決断を下す。
第19話
 自分を助けるため、操緒が身を犠牲にしていたことを知った。
 一巡目の智春が裏で手を回していたことを知った。
第20話
 時空の闇に呑まれ、一巡目の世界へ。
第21話
 一巡目の世界。操緒と離ればなれになる。
 奏に、これからは自分が守る、と伝える。
第22話
 奏に告白した。
 一巡目の世界にいるため、悪魔化。魔精霊(サノバ・ジン)を呼び出す。
 秋希から、ネックレスを貰った。
第23話
 黒鐵改の演操者となり、時空切断能力を新たに手に入れた。

第1話
 同い年の少女。3年前の飛行機事故から智春に取り憑く幽霊。
 見える人間が限られているらしい。何らかの要素を持つ人間のみが視認できる?
 どのようにして着替えているのかは謎。
第2話
 生霊のような存在でありながら、アスラ・マキーナによる物理的攻撃には対処できる模様。
第3話
 黒鐵の副葬処女として、「生きている」状態。
第5話
 智春とリンクしている可能性がある。
第6話
 安定装置を黒鐵が取り込むことにより、周囲誰しもが視認出来る様に。
 洛高に編入した。
第7話
 3年前の飛行機事故の際、中学校の制服を着ている。外に更に上着を羽織っている。
第14話
 一巡目の世界の記憶を一部引きずっている。
第16話
 智春が隠し事していることを、奏と扱いが異なると考え、寂しく思っている。
第17話
 自らの魂が削られていることを知っていた。
第19話
 4年前の飛行機事故で智春に守られ生き残るも、一巡目の智春に頼んで、自らの魂を犠牲にして智春を生き返らせることを望んだ。
第22話
 十字稜内部で合流。
第23話
 黒鐵改の副葬処女となった。

  • 嵩月奏

第1話
 クラスメイト。
 巫女っぽい服を着ているときがある。
 炎の能力を使えるらしい。
第2話
 悪魔である。悪魔や演操者、機巧魔神に対する知識を持っている。
 嵩月組社長の一人娘である。そのため、あまり友人はいないようだ。
 智春を護るために戦う存在。
第3話
 科學部に入部。
第5話
 保険委員である。
第7話
 智春との関係に関わる話になると妄想モードに入るときがある。
第12話
 黒鐵を使った戦いから智春を遠ざけようとしている。
 非在化が始まっている。
 智春と同じく、一巡目の世界の映像を見る。
第16話
 ほぼ明確に智春のことを好いている。
第18話
 父親を避けていたのは、父親が母の記憶を失っていっているから。
 父親と和解した。
 智春と共にいるため、魔力を使わないなど、アプローチは積極的である。
第19話
 非在化が本格化している。
第20話
 時空の闇に呑まれていった。
第21話
 悪魔の力が使えない? 非在化も収まった?
第23話
 実際は非在化が進行していた。
 魔力の使いすぎにより、危険な状態。

  • 黒崎朱浬

第1話
 高校2年生。科學部部長代理
 直貴の知り合い。イクストラクタとそれに纏わるトラブルを運んできた。
 何か知っているようだ。
 体から銃器やら刃物やらをバンバン出してくる危険な人。
第2話
 ロイヤル・ダーク・ソサエティとの繋がりが深い。
第3話
 第三生徒会(ロイヤル・ダーク・ソサエティ)との関わりが深い。
第4話
 第二生徒会の六夏とは仲が悪い。
第5話
 双子の妹に紫浬がいる。
 瑶と知り合い。
 3年前の飛行機事故と関係している。
第6話
 昔は結構乙女チックな学生だったようだ。
第7話
 3年前の飛行機事故に妹紫浬と共に巻き込まれた。
 最初自分のことを紫浬だと認識していた。今でも変わっていない。
 ただ、対外的には朱浬として振舞っている。
 自身を朱浬と認識する瑶に対して、反発している。
第20話
 白銀の副葬処女であった「朱浬」が死亡。
 自らも冬琉の刀に刺される。死亡したかは不明。
第21話
 一巡目の世界では生徒会副会長。智春の印象では二巡目の朱浬とは異なる様子。

  • アニア・フォルチュナ・ソメシェル・ミク・クラウゼンブルヒ

第8話
 愛称はニアという。
 災厄の王であるフォルチュナ辺境伯の末娘であり、運食らいであるクラウゼンブルヒの家系に生まれた。
 いわゆる天才であるが、運動能力は低い。
 ラック・イーターと呼ばれる能力を持つ。相手の運気を吸い取り、または分け与えることによって幸不幸を調整することができる。
 日本にやってきた目的は2つ。
 1つが、安定装置をつけた黒鐵とその副葬処女である操緒についての調査
 もう1つが、行方不明になった姉の捜索。
第10話
 科學部(鳴桜邸など)を自分の居場所と認識した模様。
第17話
 クルスティナの想いを継いで、智春たちと共に進む。
第20話
 時空の闇に呑まれていった。点火装置を所持。
第21話
 「洛高の魔女」として有名。智春の彼女と噂されていた。
 札を操り、使い魔を消滅させる。
 五年待ったと本人が語るように、五年分成長している。
第22話
 一巡目の智春を好いていた。
 機巧魔神を作った。

  • 佐伯玲士郎

第1話
 変な白い服を着た集団の長。
 実力行使を厭わないタイプらしい。
第2話
 イクストラクタを回収しようとするが失敗。智春を演操者にさせてしまう。
 玲子の兄。
 第一生徒会会長にして神聖防衛隊隊長。
 「演操者と悪魔の交わりによる禍」を防ぐため、智春か奏のどちらかを排除しようとする。
第3話
 翡翠の演操者、哀音を副葬処女とする。
 「禍」を二度と引き起こさないことが行動原理。そのためには智春と奏を抹殺することも厭わない。
第8話
 GDの指揮下で活動に参加することがある。
第13話
 哀音と引換に、生徒たちの生命を守る。
 翡翠と哀音を失い、元演操者となった。
第14話
 GDへ翡翠の祭壇であるイクストラクタを返却した。
第21話
 一巡目の世界では三年生で生徒会長。

  • 志津間哀音

第3話
 翡翠の副葬処女。
 感情に乏しい
第11話
 昔は、大雑把で悪戯好きで負けず嫌いな少女だったらしい。
第13話
 限度を超える魔力を用い、魂を失って、死去。
第22話
 一巡目の世界では元気な少女、料理部に所属しているようだ。

  • 佐伯玲子

第1話
 クラスメイト。中学でのミスコン優勝者。
 美人で、気が強い。
第2話
 玲士郎の妹。
 「怪物」の誕生を防ぐため、智春と奏の交わりを絶とうとする。
第3話
 なるべく穏便に禍を除こうと考える。
 哀音に対して負い目を持っている。
第4話
 哀音を視認することが出来ない。
第22話
 一巡目の世界でもほぼ同じ。

  • 樋口琢磨

第1話
 クラスメイト。
 女たらし。そのため女性関係の情報には詳しい。
第4話
 科學部に入部していた。
第22話
 一巡目の世界でもほぼ同じ

  • 大原杏

第1話
 クラスメイト
 中学時代は陸上をやっていた。高校でも続けるらしい。
 大原酒店の娘。智春と一緒に仕事をしている。
第2話
 陸上部に入ったようだ。
第22話
 一巡目の世界では、智春へのアプローチも掛けている。
第23話
 一巡目の世界の杏は、フラれることになった。

  • 夏目直貴(一巡目の夏目智春)

第1話
 智春の兄。
 学生でありながら世界を飛び回る。
 いくつもの特許を持ち、大企業とのつながりも深い。
 鳴桜邸の家賃を支払ってくれているぐらい金も持っている。
 陰で暗躍しまくっている。
 顔は出てこない。
第2話
 ロイヤル・ダーク・ソサエティから奨学金を貰っていた。
 嵩月組にも名声は届いている模様。
第3話
 鳴桜邸を科學部のたまり場としていた。
第7話
 飛行機事故の現場に女と共に姿を見せた?
 紫浬に対して、代理人の女を通して取引を持ちかけた。何の取引かの詳細は不明
第8話
 ドイツでニアと会っていた。
 ニアに鳴桜邸で居住する権利を与えた
第12話
 加賀篝と知り合いであることが判明。
第13話
 加賀篝曰く「智春がいたため失敗した」
第14話
 智春たちがつくまで、洛芦和の遺跡へ唯一たどり着き帰ってきた人物。
第15話
 ロイヤル・ダーク・ソサエティでも連絡を取ることが出来なかった。
第16話
 暮見崎の遺跡に姿を見せた?
第17話
 加賀篝の言を信用するならば、智春たちを救い出し、どこかに放置して去っていった
第18話
 夏目直貴の名が刻まれた墓が見つかった。
第19話
 留学先で死んだ本当の夏目直貴と入れ代わり、夏目直貴として活動していた。
 機巧魔神「鋼」を操っている。
 智春の存在に上書きすることに失敗、悪魔化し非在化が進行している。
第20話
 塔貴也に撃たれ、絶命とともに非在化により消滅。
 一巡目の奏も氷羽子に破壊され、消滅。
第22話
 (相当なハーレム状態だったことが明らかになった)

  • 潮泉老人(大家)

第2話
 屋敷の奥深くに引きこもっている変人。
 螺旋大好き。
第7話
 朱浬の修理を行なっていた。

  • 潮泉律都

第2話
 奏の知り合い。
 自動車免許を持っている。
第6話
 武器や薬を作ることが出来る。
 そういや、回想シーンに出てくる女性に似ている。
第7話
 朱浬の修理を行なっていた。
第13話
 螺旋階段を降り、謎の場所にいる。(一巡目の律都)
第19話
 奏に、非在化のショックを和らげるための薬を渡していた
第23話
 一巡目の律都は、智春の兄、直貴の恋人である。
 一巡目の律都は悪魔化している。

  • 橘高冬琉

第2話
 朱浬と知り合い。
第3話
 過去にGD(学生連盟)のヘリに乗り、玲士郎のいる船へと向かったようだ
 第三生徒会会長。悪魔を保護する権限を持っている。
第12話
 性格は真面目。
 剣術使い。
 操緒を見ることができない。
第13話
 元演操者であるため、能力無効化能力を持つ。
 元演操者ということは、元々は演操者であったのだろう。
第15話
 塔貴也のことになるとキャラが変わる。
 外に見せる強さは作られた物で、内側はそれほど強くないようだ。
 昔、黒鐵の演操者だった。
第20話
 仮面の女(ピカソ仮面)の正体。
 鋼の副葬処女となった。
第21話
 一巡目の世界にいた冬琉は自ら、自分はそれほど強くない、と語る。

  • 荽塔貴也

第14話
 擬似感覚入出力デバイスであるコアラのぬいぐるみで、智春たちを洛芦和の遺跡へと案内した。
 夏目直貴について、よく知っていそうな人物。
第15話
 科學部部長。
・五感をぬいぐるみと共有させることのできる擬似感覚入出力デバイスの作成。
・真日和のヴィジェット
・朱浬の武装
・副葬処女システムへの知識(擬似感覚入出力デバイスの話を聞いたニア曰く)
のように、かなりの知識、知恵を持ち合わせた人間。
 秋希が存命中はGDの最高司令官をしていた。
第16話
 朱浬たちとともに、遺跡の調査、探索を行っている。
第20話
 全ての黒幕。秋希に会うため、三巡目の世界へ向かおうとしている。
 氷羽子と契約していた。使い魔は氷のフェニックス「シャーリーズ」。
 冬琉を副葬処女として捧げ、鋼の演操者となる。
 機巧魔神と契約悪魔の両方を備え、魔神相剋者となった。
 時空の闇に呑まれていった。
第21話
 一巡目の世界の塔貴也は、秋希に全幅の信頼を寄せていた。

  • 橘高秋希

第15話
 黒鐵の前の副葬処女。
 過去の戦闘で消滅した。
 生前は塔貴也と仲が良かった。
第21話
 一巡目の世界の秋希は、二刀流の使い手。使い魔と戦うこともできる。
 おせっかい焼き、塔貴也には甘い。
第22話
 智春にネックレスを渡した。

  • 鳳島氷羽子

第15話
 朱浬や直貴に対する知識がある。
 使い魔として氷のフェニックスを駆る。
第17話
 蒼鉛を一刀のもとに破壊。戦闘能力は高い。
 機巧魔神に関わるトランクを持ち去っていった。
第18話
 墓地に現れるも、すぐに姿を消した。
第19話
 ピカソ仮面と仲間である。
第20話
 荽塔貴也と契約していた。塔貴也を「わが主」と呼ぶ。
 時空の闇に呑まれていった。

  • シャーリーズ

第20話
 塔貴也と氷羽子の使い魔。
 氷のフェニックスの形をしている。

  • 倉澤六夏

第4話
 第二生徒会会長。
 第二生徒会の人間らしく、経済観念が発達している。
 太ももに二挺拳銃を装備。美人だが人相が悪い。
 普段は三つ編みと眼鏡で凶悪さをなるべく隠そうと試みているがあまり効果は無いようだ。
第19話
 ニアと校内での部長の警護を請け負った
第20話
 爆発に巻き込まれる。
第21話
 一巡目の世界の六夏は、卒業し喫茶店のオーナーをしている。
 機巧魔神や副葬処女とは一切関わりなく、生活している。ただし、性格は同じ。

  • 姫笹

第4話
 「翠晶」の副葬処女。
第21話
 一巡目の世界では、中学時代に病気で死亡。

  • 真日和秀

第4話
 使い魔を捨てた男。
 しかし、周囲からの攻撃や説得に押され、使い魔を受け入れた。
第5話
 第二生徒会に所属していた。
 恩義よりもお金を優先するタイプ。第二生徒会の人間らしい性格である。
第20話
 爆発に巻き込まれる

  • ヴィヴィアン

第5話
 真日和の使い魔。

  • 雪原瑶

第5話
 機巧魔神「白銀」を使う演操者。
 男に見えるが女である。
 朱浬と対立している。
第7話
 父親に白銀のイクストラクタを託される。
 3年前の飛行機事故に遭遇。その際、黒崎紫浬を副葬処女として捧げ、白銀と契約を行なう。
 その後第一生徒会に所属、さらにGDへと移る。
第8話
 移籍などの知識は豊富。
 里見との仲はあまり良くないようだ。
第15話
 冬琉に剣術?を習っている。稽古をつけてもらっているらしい。
第20話
 冬琉に白銀内部にいた「朱浬」を破壊され、元演操者となる。
 ただ、当人は紫浬だと認識している。

  • 里見恭武

第6話
 GDの一員。
第8話
 「蒼鉛」を操る演操者。
 選民意識のようなものが見られる。
第16話
 将来的に、学生連盟のトップの座を狙っている。
 プライドが高く、以前敗れた加賀篝を恨んでいる。
 目的のためなら、殺めることも厭わない性格。
第17話
 加賀篝への復讐を為すも、智春に敗れ、氷羽子に副葬処女を消滅させられた。
 元演操者となった。

  • 千代原はる奈

第6話
 GDの一員。京都弁を使う。
第10話
 機巧魔神「亜鉛華」を操る。
第20話
 自らが張った誘爆性の紐の爆発に巻き込まれる。

  • 黒崎紫浬

第7話
 朱浬の妹。
 役者としての才能があったらしい。
 3年前の飛行機事故の際、瑶によって白銀の副葬処女に捧げられる。
 が、紫浬自身は直貴らとの取引により生きているような描写も見られる。
 ただ、詳しくはよく分からない。
第22話
 一巡目の世界ではニアの友達。
 智春は、彼女の姿を見て、二巡目の朱浬を重ねあわせた。
 紫浬としては、姉と間違われることは珍しいらしい。

  • 加賀篝隆也

第9話
 演操者であり、クリスティナと契約することで魔神相剋者となった男。
 機巧魔神「薔薇輝」と使い魔イングリットを操り、悪魔のエネルギーを収集している。
第10話
 分離機を用いて、琴里を薔薇輝から分離しようとした。
第12話
 点火装置を狙っている。
 夏目直貴と知り合いである。
第16話
 暮見崎の遺跡に侵入。副葬処女の解放装置を狙っている。
第17話
 琴里とクルスティナを失い、目的を無くした。
 元演操者となった。

  • クルスティナ・フォルチュナ・ソメシェル・ミク・クラウゼンブルヒ

第9話
 アニアの姉。加賀篝の契約悪魔。
 2年前に交換留学生としてやってきたが、ある時期に行方不明になった。
 学園生活は取り立てて問題なく、平穏に過ごしていたようだ。
第10話
 分離機の作成により、魔力を消費しすぎ、非在化が始まっている。
 加賀篝には自らの意思で付き添っている。
 加賀篝にはクリシィと呼ばれていた。
第17話
 非在化の進行により、消滅した。

  • 新屋敷琴里

第10話
 薔薇輝の副葬処女。
 加賀篝を止めるような行動を智春らに見せるため、どうやら加賀篝の行動を望んではいないようだ。
第17話
 魂を擦り減らし、消滅した。

  • イングリット

第9話
 加賀篝とクルスティナの使い魔。
 形状はスライム。

  • 志津間霧絵

第11話
 哀音の母親。玲士郎、玲子の伯母。


(2)第23話までの用語集

  • 病院から出て行った男

 二巡目の世界へ着いたばかりの夏目直貴(一巡目の智春)。
 これから先、一巡目の世界を救うため、準備を開始する。

  • 鳴桜邸

 幽霊が出そう。
 あとセキュリティに問題がありそうだ。
 ぶっ壊されまくっている。
 科學部のたまり場。直貴が決めた。
 第19話で爆破された。

  • 第1話回想シーンでの会話

 「それが君の選択なの」「辛い思いをすることになるわよ、智春」
 操緒を見て、智春は答える。
 「それで、あいつが救えるのなら」

 一巡目の智春が二巡目に飛ぶ決心をした時に発した。

  • 3年前の飛行機事故

 事故に巻き込まれたのは、智春、操緒、朱浬、紫浬、瑶。
 現場に直貴(一巡目の智春)が姿を見せた。
 一巡目の智春は、操緒の魂を使い、鋼の力で、死んでしまう前の智春の体を持ってきて、上書きした。

  • 機巧魔神(アスラ・マキーナ)

 何か凄い力を持つロボット。機体によって能力が異なる。
 射影体がいる人間が呼び出せる。
 直貴(一巡目の智春)曰く、融合した異世界間を行き来するための探査機。神に見放された人類が、悪魔と契約を交わして作った最後の希望。
 現状出てきたのは9種類。
 1つ目 奏の家の倉庫にあった、白(銀)っぽい
 2つ目 玲士郎が呼び出した、翡翠(ひすい)、氷を生み出す、対象を凍らせる能力を持つ
 3つ目 智春が呼び出した、黒鐵(くろがね)。能力は重力制御。特異点効果によるブラックホール生成などもできる。
 4つ目 六夏が操る、翠晶(すいしょう)。
 5つ目 瑶が操る、白銀(しろがね)、武器は剣、空間切断能力を持つ。
 6つ目 里見が操る、蒼鉛(びすます)、武器は槍、回転する槍は魔力を打ち消す。
 7つ目 加賀篝が操る、薔薇輝(ろーどないと)、武器は鎖と時間停止。
 8つ目 はる奈が操る、亜鉛華(あえんか)、武器は爆発する糸。
 9つ目 直貴(一巡目の智春)が操る、鋼(はがね)、武器は重力制御と空間切断能力。
 尚、第20話で鋼は塔貴也が演操者となっている。
 10つ目 智春が操る、黒鐵改、武器は重力制御と空間切断能力。黒鐵と白銀を合わせ、生み出された。

  • 演操者(ハンドラー)

 機巧魔神を使える人間。
 魔神相剋者の場合、対象の悪魔が力を行使することで、愛を奪われる。
 機巧魔神を制御するために、体内へナノマシンを注入された人間。

  • 元演操者(エクス・ハンドラー)

 副葬処女を一度失い、演操者でなくなった存在。
 玲士郎、冬琉、加賀篝、里見などがいる。
 魔力無効化能力を持つ反面、射影体(安定装置有りでも)を見ることができない。
 副葬処女を失って変質した演操者のナノマシンが、周囲の魔力を拒絶する電波妨害的な働きをし、魔力を無効化する。

 機巧魔神など様々なものが入れられるトランク。
 二階から投げても壊れない丈夫さ。
 機巧魔神が入っていた場合、女性を副葬処女として捧げることにより、機巧魔神との契約がなされる。

  • 射影体

 操緒のような幽霊を指す。
 機巧魔神に捧げられた人柱の霊。人柱は生きているらしいので生霊。
 機巧魔神の中で副葬処女として生存している。
 射影体の能力は演操者の体調にも左右されるようだ。
 本体の副葬処女が消滅すると同時に消滅する。

  • 副葬処女(ベリアル・ドール)

 機巧魔神に捧げられた少女。
 機巧魔神の胸の中にあるカプセルの中で膝を抱え、目を閉じた状態で存在する。
 魂の質量を削って、演操者の願いを叶える存在。
 代償として感情を擦り減らす。そして全ての感情を無くすと、消滅、つまり死亡する。
 元演操者であっても、副葬処女になることは可能。
 身体は、うずしお内部か、十字稜の一室に収容されている。

  • 悪魔

 奏のような能力者の事を指す。
 演操者と契約することによって、魔神相剋者が生まれる。
 魔力を使いすぎることによって、非在化が進行し、最終的に死に至る。
 演操者が魔神相剋者の場合、力を行使することで、演操者の愛を削る。
 女の悪魔の代償は、自らの非在化と愛する人の愛。
 男の悪魔の代償は、愛する人の記憶。

  • 使い魔(ドウター)

 契約者と悪魔の間に生まれる子。
 契約者に対する悪魔の想いの結晶。
 成体になると落ち着く。
 契約者や悪魔がいないはぐれ使い魔は、気性が荒く暴れまわりやすい。

  • 魔精霊(サノバ・ジン)

 一巡目の世界で悪魔化した二巡目の智春が操る力。
 闇の巨人の姿をとり、太い腕を活かした物理攻撃や口より繰り出されるビームが武器。

  • 非在化

 本来いる世界とは別の世界にいる人間、いわゆる悪魔が、その別の世界から拒絶される現象。
 力を行使することによって、自らを削り、やがて消滅に至る。
 直貴(一巡目の智春)のように、世界間を移動して、違う世界に来た人間もその異なる世界の自分との上書きに失敗すると、悪魔化し、非在化が進行、やがて消滅する。

  • 上書き

 異世界から来た人間が、その世界にいる自分の存在を乗っ取ってしまうこと。
 上書きに失敗すると、悪魔化したその存在は世界から異物とみなされて拒絶、つまり非在化する。
 直貴(一巡目の智春)の場合、到着したとき既に智春が死んでいたため、存在を上書きすることが出来なかった。

 武器を持ったり、武器を生み出したりして攻撃することが出来る人形。
 塔貴也が作った。

  • 機巧護衛機(カスタス・マキーナ)

 一巡目の世界の遺産にまつわる遺跡の守護者。
 多足類な形状をしている。
 一巡目の世界では警備員のような役割を担っていた。
 GDが独自に改良し、機巧護衛機βを作り出した。

  • 分離機(スプリッタ)

 機巧魔神の制御システムを欺瞞し、副葬処女を分離する高次元のカラクリ。
 起動するためにも起動後の処理にも多大な魔力を必要とする。町中の悪魔を喰らい尽くすほどである。
 ただ、それでも成功確率が低いため、確率制御能力をもつランク・イーターであるクルスティナやアニアを必要とする。

  • 広域指定悪魔結社嵩月組

 暴力団じゃなくて悪魔結社。
 暴力行為も厭わない人たちである。
 若頭は炎使いと、炎を扱う人たちが多いようだ。
 奏は組の活動を嫌っている模様。

  • 科學部

 直貴(一巡目の智春)が智春のために作った部。
 理科教室棟の化学準備室が部室。
 現在の部長代理は朱浬。
 智春、奏、操緒、樋口が現在確認されている部員である。
 第三生徒会(ロイヤル・ダーク・ソサエティ)の傘下にある。

  • 第一生徒会(神聖防衛隊)

 会長は玲士郎。悪魔を排除し、世界の均衡を保つために存在する。
 隊員は銃で武装しており、実力を行使することも多い。

  • 第二生徒会(巡礼者商連合)

 会長は六夏。
 カルヴァニズムを信奉しており、経済意識が強い。
 金稼ぎこそ神の思し召しと考える集団。
 真日和もここに所属

  • 第三生徒会

 会長は冬琉。
 直貴とのつながりも「ロイヤル・ダーク・ソサエティ」を通すものの、深い。

  • 武装生徒指導員(GD・ガーディアン・ドラグーン)・学生連盟

 校内で演操者が問題を起こした場合、すぐに駆けつけ、解決することなどが仕事。
 第三生徒会と繋がりがあるようだが、詳しくは不明。
 瑶、はる奈、里見の所属が確認されている。

 生徒会間の戦いのこと。

  • 安定装置(スタビライザ)

 機巧魔神のプラグイン
 射影体を特定の能力者以外の人間にも見えるようにする。

  • 点火装置(イグナイター)

 現行の機巧魔神どれとも適合しない謎のプラグイン
 だが、夏目直貴や加賀篝はその用途について知っているようだ。
 加賀篝曰く、プラグインではなく、歪んだこの世界を正すための鍵とのこと。
 第20話現在、ニアが所有している。

  • 超弦重力炉

 中央渦界領域(セントラル・ボーテックス)へと繋がる扉。
 世界最大規模のブラックホール生成施設。
 小規模なブラックホールを生成する実験をしていたが、失敗し、世界の非在化を招いてしまう。
 塔貴也曰く、本来すぐ蒸発するような小規模なブラックホールであんな大規模な事故が起こるわけがない。何か予想外のことが起きたのでは、ということである。

  • 中央渦界領域(セントラル・ボーテックス)

 通常とは異なる位相に存在する領域。
 異世界の門もここに開かれている。ここから、多くのはぐれ使い魔が侵入したり、智春たちのような人間が世界間を渡ったりすることが出来る。

  • 鋼の祭壇(謎のトランク)

 暮見崎の遺跡に隠されたトランク。
 副葬処女の解放に関わると加賀篝は言っていたが……。
 氷羽子が持ち去り、塔貴也の手に渡る。
 塔貴也はこれに使って、鋼の演操者となった。

  • 一巡目の世界

 二巡目の世界を始めた人間たちがいる世界。
 機巧魔神や悪魔などの存在原因もこの世界にあると言う。
 ブラックホール実験の失敗により、世界全体が非在化し始め、危機に瀕している。
 智春が到着した一巡目の世界は、智春が元々いた二巡目の世界より一年以上年月が進んでいる世界だった。

 一巡目の直貴の機巧魔神。
 異世界の門への防衛線として存在。ビームを放つことも出来る
 機巧魔神が保管され、ここから召喚される。
 副葬処女の身体もこの船の一室に収納されているようだ。
 消滅した副葬処女は、彫像となって通路の一角に加わる。
 次元航行の能力も持ち、一巡目の世界を救うため、多くの人間を異世界へと送り出していた。

  • 一巡目の世界の遺産

 二巡目の世界へ伝えられた物。
 機巧魔神やそれにまつわるものが保管されていることが多い。

  • 十字稜

 一巡目の世界で、街中にある研究施設。
 建物の構造から考えると、二巡目の洛芦和の遺跡と同じ?

  • 洛芦和の遺跡

 一巡目の世界の遺跡の中でも最重要文化財の一つ。
 研究所が存在し、一巡目と二巡目の智春の記憶が共鳴する原因となった。

  • 二巡目の世界

 智春たちがいる世界。
 加賀篝曰く、(第13話時点で)あと631日後に滅亡する世界。

 演操者と悪魔の契約によって成立する。
 本来は拮抗するはずの二つの能力を得た『存在するはずのない禁忌の存在』である。
 通常は消費されるだけの魔力を、アスラクラインは使い魔と機巧魔神の間で循環させることで、限りなく増大させることができる。
 結果、他を圧倒する強大な力を持つことが出来る。
 演操者、悪魔が力を行使することで、演操者の愛の記憶が奪われたり、悪魔が非在化したりする。