『ぬらりひょんの孫』第7巻 花開院三兄妹 椎橋寛(著)

 1巻以来の感想です。
 知らぬ間に悪名高い?四国編も終わって、新しい展開に。
 四国編悪くはないんだけど・・・・・・ね。
 問題点を考えるに、
・味方キャラへの思い入れが薄い
・展開が中途半端に早い。敵キャラもあまり立ってない
・大将キャラがショボく見えた
・相変わらず戦闘が盛り上がらない
というところでしょうか。
 各要素はこんなもんでしょうか。
 あとは、
 清十字団(学校編)と奴良組(妖怪編)で前者が主導で話を進めてきただけに。妖怪編が今一盛り上がらない。
 ただ、学校編でも昼のリクオがあまり活躍してないので、あんまりグッとこない。
 でこの、駄目な要素がうまくかみ合った結果、話の展開が不明瞭な上に、戦闘も盛り上がらないちょっと駄目な話ができちゃったといった感じで。


 それはともかく、話を今巻に移しましょう。
 今巻では
・花開院家からゆらの兄貴襲来、と京都編の導入
・爺さんとリクオの昔話から、羽衣狐との因縁設定を
の2つが主な話。
 一つ目は、
 ゆら兄の変態さが中々イカしてます。ただ、体液を操って体中から噴射させるのはさすがにどうしたものか。
 あと、こんな風に話が進んでいくので、清十字団(学校編)が空っきし目立つ機会がない。特にカナちゃんとかカナちゃんとかカナちゃんとか。つららに出番が取られ、ゆらに出番が取られ、サブの女二人に比べて巻き込まれ属性も薄く・・・・・・。京都編に移ったら果たして・・・・・・。
 一応京都編でも出番ありそうですけど、どうせ目立つことはないでしょう。
 この巻ではゆらがかなりかわいく描けてる気がします。
 キャラの背景も出来上がって、ゆら自身のキャラに立体感を感じられるようになったのも良かったのかな。
 設定付けは、キャラクターの奥行きを出すためにも色々考えて、さくりと出せるぐらいにしておくと読んでて楽しくなるのかも。
 過去編が予想以上に良かったのは、淀殿とか徳川とか読者がある程度知識を持っている人物を登場させた。そこにある程度知識のある若き日の爺さんが加わることによって、話の輪郭をより明確に感じやすくなったことがあるでしょうか。
 

 二つ目は、
 ここから過去編、淀殿の顔は中々特徴があってよかったです。
 でも、美女扱いのヨウ姫がいつもと変わらない顔なのがなあ。若い人間が大体同じ顔の輪郭になってしまうのがなんとかならないのかなと。
 妖怪は妖怪として描けるだけに、人間の描き分け、特に女性の描き分けはまだまだ頑張ってほしいなと思います。 話自体は、結末はある程度予想がつきますが、悪くない展開になっています。ただ、恋愛パートはあまり出来が良くないかなと感じました(これは過去編全体をみた感想)。


 だんだんと戦闘も成長している気がします。
 でも、ゆら兄貴のどこを切ったのか分からないのが、相変わらず。
 なにをやったのかが分からない。どういう攻撃をしたのかが分からないと、続く決めシーンが盛り上がらないんですよね。結構後になって、左肩を押さえてるからようやく左肩を切ったんだと理解するわけです。
 例えば、ルパン三世ゴエモンが斬鉄刀使いますが、どこを切るのかは分かりやすいです。切ったときは分からなくても、それほど間を空けずにどのように切ったのか、結果を明確に認識できます。
 そこらへんが、もうすこし頑張ってほしいなあと。もったいないなと感じました。


 ここから過去編→遠野編→京都編と続きます。
 この京都編、賭けてるなと。是非成功してほしいものです。
 今回はこの辺で。ではでは〜。

ぬらりひょんの孫 7 (ジャンプコミックス)

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