『エンバーミング ―THE ANOTHER TALE OF FRANKENSTEIN』第3巻 和月伸宏(著)

 続けて3巻の感想。
 物語は倫敦に、ヒューリー・ビーベリー組とエルム・アシュヒト組が合流、ポーラルート究極の8体も登場とようやく舞台が整ってきました。
 倫敦ではまず、切り裂きジャックをネタとして話を進める模様。本物のエーデル(ヴァイオレット)も出てきて、妹ネタは回収に向かっているのかもしれません。
 
 
 大分、話が進むようになったなというのが、この巻での第一印象。
 明確な目標が出来てきたのが良いみたいです。
 ちょくちょくと挟まれる英国系の小ネタや和月系統が良くやるギャグもテンポよく読み進めるのにいい影響を与えている様子。
 真エーデルこと、ヴァイオレットをいきなりガツンと落としたのはちょっと安直。ヒューリーとヴァイオレットを繋ぐにはこんな方法しかなかったかな。もうちょっと繋がりを深めたあとにガツンと落としたほうがより悲劇性を強調させられると思いました。ただページや回数を喰ってしまうので、ヒューリー側の視点だけではないこの漫画としては妥当なところに落ち着いたのでしょう。


 究極の8体から3体が登場。エルムも含めると合計4体目になります。
 あと、アシュヒトとビーベリーによると、6体目にはかなり期待が持てる模様。いつ出てくるのか。それともすでに出ているのか。
 以下では今巻で出てきた3体について軽く。

・呼吸機能特化型人造人間 リッパー=ホッパー
 通称切り裂きジャック。なんか肺を使って凄い圧縮した空気を作り出す奴。飛んだり切ったりはお手の物。
 こいつが今回倒す敵。かなりスピードや攻撃力に優れていそうですが、どうやって倒すのやら。


・感覚機能特化型人造人間 タイガーリリィ=コフィン
 軍服に身を包んだ女の子型フランケンシュタイン。エルムと正反対にするために造形されたからか、かなりおかたいキャラクター。
 目玉を作って色々監視したり、録音したり、録画したりできる能力を持つ。これだけだとあんまり戦闘に使えないような気が……。どんな戦い方をするのかは楽しみ。
 「統率」なる人が好きみたいで、ところで「統率」って何者?


・消化機能特化型人造人間 スカベンジャー
 口からウツボみたいな生物を送り出す男。画面にはさしてはっきり映らず、リリィの命令に忠実に従うナイスガイ。
 あんまり出番なさそう。

 次巻はメアリがヒューリーやエルムの前に登場。そう簡単に身柄を確保できるわけではなさそうだが、果たして?
 102ページの口を手で隠しているエルムが可愛いです。3巻はエルムのキャラクターがコミカルに表現されている点がとても良かったです。ただ、こうやって行くと戦闘を見るのが辛かったりなるかも。
 表紙のアイゼンアルム、橙色ってもう少しかっちょいい色にしてほしかったなあ。


 前回の巻で口絵だったアメコミ風の黒を強調した絵。連載時に使われていたものだったとは。俺得なんでもっと見てみたいです。
 というわけで今巻も終わり。相変わらず内容の薄い、整っていない感想ですが、また今度です。