『経営者の条件(ダイヤモンド社)』P.F.ドラッカー

 今回から、自分なりのまとめを前に出して、後ろに感想を書きます。
 まとめの正確さは保証しません。実際に読んでいただくのが一番ですので。
 では。
 
 
 経営者の条件とタイトルが付けられているが、経営者のためだけではないのは明白である。
 (自らを、他者を)経営(する)者の条件と言ったところだろうか。
 
 
 エグゼクティブたる者は成果をあげることが最も重要だ。成果をあげる能力は後天的に習得できる。
 ではどのように?
(1) 時間を管理すること
 時間を管理する。記録し、整理し、まとめる。要らない時間は削る。要る時間を過小評価しない。
 なぜ時間を管理しなければならないか。
 それは、他の資源と比較しても、時間が最も限りある資源だからだ。時間は増えない。ただ刻々と減っていくのみだからだ。
 無駄に使うのは容易いが、有効に使うのは最も難しい。
 よって、記録し、整理し、まとめる作業を行い、できるだけ時間を有効に使うべきである。
(2) 貢献すること
 貢献とは何か?
 それは、成果をあげること。結果を出すことである。抑えておくべきなのは、成果は外部(顧客など)が利用してこそ、成果となりうるということだ。
 努力ではなく、結果が重要である。ただ、結果よければ全てよしではない。
 「私」ではなく、「われわれ」の視点から判断する。これは組織に対する貢献をなす際に必要である。
(3) 強みを生かすこと
 強み、要するに長所を生かさなければならない。
 弱点を恐れてはならない。もちろん、弱点に対して、最低限の理解は必要。弱点に対する理解をもてば、強みをより生かすことが出来る。
(4) 一つのことに集中すること
 一人が一度にこなせるのは、精々二つ。三つ同時進行でやると破綻する。
 成果をあげるには、一度に一つのことに集中するべきである。
 一つのことに集中するには?
 過去の廃棄、劣後順位の策定、戦略に基づく優先順位の設定がある。この三つを行い、最優先のものから一つずつ消化していくようにする。
(5) 意思決定をすること
 PDSサイクル。
 まず、P、Plan。問題とは何か、原則(戦略)についての設定、必要条件の把握、必要条件を満足させる答えの検討の四つを実行する。
 次に、D、Do。決定に基づく行動を決定そのものの中に組み込む。
 最後に、S、See。意思決定の適切さを検証するためのフィードバックを行なう。
 正しい意思決定を行なうには?
 共通の理解、意見の不一致、競合する選択肢の検討。事実ではなく、意見から入り、討議を通じて正しい決定へと近づけていく。
 意思決定とはやるかやらないかであり、中道を存在しない。意思決定が必要がない場合は安易に下してはならない。
 基本戦略に関わる決定を重要視する。
 
 
 以上が自分なりのまとめ。
 以下、感想
 もっと早く出会っていればなぁ。せめて大学一年のときに読んでおきたかった。
 本当なら当たり前のことなのですが、当たり前のことを見直すにはやはり示してもらうのが一番。
 中学生が読むにはちょっと早い?中学生はもっと無駄な時間を謳歌すべきだと思っていますので。でも高校生なら読んでもいいと考えています。特に高校二年の時期、受験にとっかかる前段階で読む。学習参考書タグを追加したのはそれが理由。カーネギー系統の本も読んでみるといいかも。こちらももう一度精読しようかな。
 薄い(といっても200ページあるんですが)し、お勧めの本です。
 なんといっても面白いですしね。

ドラッカー名著集1 経営者の条件

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