『大暴落1929(NIKKEI BP CLASSICS)』ジョン・K・ガルブレイス

 素晴らしいまでにタイムリーな本。
 著者曰く「増刷され本屋の店頭に並ぶたびに、バブルや株安など何事かが起こるのだ」と書いてしまうぐらい、そういった際に読む本なのでしょう。
 主な内容は、タイトルで示されている通り、1929年までの話。バブルでウハウハになっている人々が、どん底へと突き落とされるまでの美しい話を著者が面白おかしく書いています。
 面白おかしく、と書くのは変だと言われるかもしれません。けれども、読んでいるとどう見ても頭おかしいだろと思えてしまう行動やバブルが弾けたあとの転落っぷりに笑ってしまうのです。
 全章を通じて、非常にサクサク読んでいくことができます。翻訳ですら貢感じてしまうのですから、原文でも恐らく言わずもがな。著者の文章力でノンフィクションとしても十分楽しめるのではないでしょうか。
 もちろん、それだけではありません。

 「終わりは、つねに始まりよりも突然である」

 「「経済は基本的には健全である」とか「ファンディメンタルズは問題ない」というものだ。この台詞を聞かされたら、何かがうまくいっていないと考える方がいい」

 「値が上がるという事実だけに目を奪われ、なぜ上がるのかを考えようとしなくなるのは投機のもう一つの特徴である」

 などの言葉が述べられていますし、ブローカーズローンやレバリッジ投資信託についてのまつわる話、最後の章には考察もなされています。
 まあともかく、色々と面白いのでお勧めできる本でした。

大暴落1929 (日経BPクラシックス)

大暴落1929 (日経BPクラシックス)

 
 
 以下、雑多な感想。
 ニューヨークタイムズが素晴らしくゲンダイっている。お前ら何回「終わりのときが来た」って言うんだww
 月曜日月曜日何とか持ち直すかと見られた→その日が過去最悪だとは……、って何回同じことになっているんだろ。さすが大暴落ですね。底が見えない。

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    ,_ -─-ヽ   '´   ,∠.._
    ,> " " " ゙  、、 <`     まだまだ
  ∠_ " "  "  ヾ  、、ヾ     終らせない…!
   / ″, ,ィ /ヘ i、 ヾ ヾ !
.  /イ ,ィ ./l/‐K   >!ヘ|\ ゙ |     地獄の淵が
    |/ レ|==a= . =a== |n. l      見えるまで
.     | l  ̄ ´|.:   ̄  :|fリ,'
      `ヘ   、l.レ    :|"ハ     限度
.      /ヽ.  ̄ ̄ ̄ /|/  :!_    いっぱいまで
      _/   l\  ̄ / ./   |-¨二   いく…!
-‐ _''.二/    l:::::`‐:'´  /    |
¨´   l    ,ヽ:::::   /,へ   |    どちらかが
      |   /o |_   _,/   \ |     完全に
.    |./   |_.二../      `    倒れるまで……
         r_'.ニニ'' \
.        とニニ''_.   ヽ       勝負の後は
       /  ,. -、 \   \      骨も残さない
      /   / | o\)`ァ、  \:‐┐    ………!
    /  _.ノ   |     | ヽ.   \!
.  /   /   │    |  ヽ.   \

 まさにこれか、

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こんな感じに
 大暴落中にホテルのフロント係曰く「ベッドをご利用ですか、それとも窓ですか」とか、ブラック過ぎるw
 暴落の後は悪者探し、戦犯探しをするあたり、どこの国も変わらない。
 この本で一番好きなのはこのくだり。一部のみ抜粋。

 サックス氏――104ドルです。これは発行当初の価格です。その後、一対二の株式分割が行なわれました。
 カズンス上院議員―それで現在の価格はどうなっていますか。
 サックス氏――1.75ドルというところです

 何という大暴落。まあよくあること?ですけどw