『早覚え即答法(学研)』
あの有名な早覚え即答法。
導入から応用までこれ一冊。
1. 概要
基本句形の表現10と漢文特有の漢字91で漢文の点数が飛躍的に上昇する。
基本句形の中で重要なのが、漢字以外の読みである。これをしっかりと身につけることで解答の能力を高めることが出来る。この漢字以外の読みを「いがよみ」と名づけた。
2. 構成
全3章と改訂版の付録。
第1章は10の「いがよみ」公式。使役、反語、詠嘆、疑問、限定、累加、部分否定、仮定、二重否定、抑揚、と厳選された10の句形について学習を行う。導入で大まかな説明をした後、表によって暗記事項をまとめる。そして例題によって錬度を上げていく。応用的な事項は別途その場で説明をする。
第2章はこれだけ漢字91、重要な漢字や再読文字を含む。意味、読み方、例文とその書き下しと訳。
第3章は引っ掛け問題の解き方や最小限の漢詩、文学史の暗記、そして重要句形と漢字を網羅した暗唱例文「考試の道」を掲載。
付録では、この本が終わった後の学習法と大学別対策法が載っている。
3. 評価
(1) 長所
導入本として最適。
これ一冊で漢文の知識は受験で問題ないレベルまで達することが出来る。
暗記事項の限定で楽に覚えられる。
解答力が身につく。
(2) 短所
演習量が不足、他の本もしくは過去問で補う必要がある。
標準レベルの知識を身につけることを目標とするため、難問には対応していない。
(3) 総合評価と感想
やはり売れるだけのものは持っている。一般的に重要視されにくい読みに焦点を当てていくという発想が良かった。
暗唱例文の出来はすばらしい。必見物であると思う。というかこれのために買うだけでもお金を落とす価値がある。
難問への対策や演習量の不足は演習中心の本で補うこと。
漢文の基礎を身につけたいならまず手を出すべき本。88点。
田中雄二の漢文早覚え速答法―試験で点がとれる (大学受験V BOOKS)
- 作者: 田中雄二
- 出版社/メーカー: 学研マーケティング
- 発売日: 2001/04/03
- メディア: 単行本
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