『船口の現代文〈読〉と〈解〉のストラテジー(代々木ライブラリー)』

 代ゼミの船口明先生の本。
 数少ない記述問題対策の参考書の一つ。
1. 概要
 記述式に対する『苦手意識』を取り除く。
 評論文を如何に読み解いていくか。そしてどのように解答するか。
 最初に評論文の読み方を説明、そして解答するためのツールを示し、問題の中で実際にそれらを使っていく。
2. 構成
 予講、問題集の解答・解説が収録されている本冊と問題集である別冊の二分冊構成。
 予講『講義に先立って』で、どのように評論文を読み解くかを説明。最後に解答を導く『鉄則』を示す。
 問題数は全部で7題。
 解答・解説はまず本文を順に追っていき、筆者の「話題」を掴んでいく。本文をチェックし、更に図式化することによって明確化していく。
 問題文を読み終わったところで解答のプロセスへと入り、どのようにして解答を導き出すのかを提示する。思考の手順を示し、解答ポイントの整理を行い、解説を加えて、最後に解答が書かれている。
3. 評価
(1) 長所
 考え方がわかりやすい。読み方が明確、問題を分類してわかりやすく解答の出し方を示している。
 図式を多用して、理解しやすいように配慮がなされている。
(2) 短所
 問題数が少ない。
 小説やエッセイに対しては対応していない。
 標準レベルの学力を前提としている。
(3) 総合評価と感想
 数少ない記述様の参考書としてはわかりやすいタイプにはいるかと思います。
 同著者のセンター対策本とも似ているので、センター本をやった人にもお勧めできます。
 小説、随筆に対応していないのは欠点です。二次は評論だけ出るわけではないですから。
 飽き足らなかった場合は河合塾の『得点奪取現代文』をお勧めします。著者が全河合塾であるため、考え方は似ていると思います。
 2週間で仕上がります。80点、評論以外にも対応していたらもう少し良かったのですが……。

船口の現代文〈読〉と〈解〉のストラテジー―代々木ゼミ方式

船口の現代文〈読〉と〈解〉のストラテジー―代々木ゼミ方式