『英文法・語法のトレーニング (1) 戦略編 改訂版(Z会出版)』

 あの『速読英単語』の著者である風早寛先生のもう一つの代表作。Z会の定番著書ともいえます。
 英文法の本は色々ありますが、知名度などからよくこの本を手にしているのを見かけます。
 今回改訂版(といっても結構前)が出ましたので、レビューしてみたいと思います。
1. 概要
 教科書や参考書を一通り抑えただけでは解けない入試の英文法問題にどのように対処すべきかを教えるのがこの本です。
 英文法・語法のポイントを314の攻撃点として網羅。
 例題主義の採用による、取り組みやすく、実戦的な学習を可能にしました。
 語法問題にページを大幅に割き、網羅するよう図りました。
 レイアウトに注意し、ほぼ1〜2ページで収まるようにしました。
 弱点発見テストが付属、INDEXにより検索能力を向上。
2. 構成
 2章構成、第1章が文法の攻撃点296、第2章が語法の攻撃点18です。付録として英文法の物語、別冊に弱点発見テストが付属しています。
 第1章の文法は合計問題数605題(数えただけなので多少ズレがあるかもしれません)。入試英文法を一通り抑えています。
 一つの課は、例題→攻撃点で理解すべき事柄を示す→文法解説と例題の解説→解答で構成されています。
 第2章は語法問題で、総問題数389題です。ページの左側問題、右側解答解説となっています。
 付録として、英文法の物語があります。英文法発達の歴史など背景知識を得ることでより深く知ることを目的としています。
 別冊に弱点発見テストがあり、341題あります。ここで文法の弱点を発見し、学習に役立てることを目的としています。
3. 評価
(1) 長所

  • 学習すべきことが分かりやすい。
  • 問題の難易度は入試標準レベルで、やりやすい。
  • 語法問題が他の本と比べても、充実している。

(2) 短所

  1. 受験用の参考書であるので、前提として、それなりの英文法知識を要する。
  2. 前提となる知識が少ない人には、解説が簡潔すぎる。問題集として利用した方がいい。

(3) 総合評価と感想
 悪くない本です。受験勉強に入る前に身に付けた文法をカスタマイズして、受験用へと転化させることができます。
 語法が充実しているのもいいです。しかし、それが欠点ともなって、分量が多いことに繋がっています。また、文法問題が少なくなる原因ともなっています。
 英文法の物語はヘーといった感じで読めばいいでしょう。
 やはり問題集です。受験用の問題集だと考えればいいです。
 <戦略編>とそれの上級編である<演習編>が出ていますが、演習編の難易度が高すぎるので、もう一冊やる場合はほかの本(桐原1,000とか)をしたほうがいいでしょう。
 ある程度基礎文法を学習したあと、これをやって受験レベルに達しさせて、もう1冊さっとやればいいと思います。
 それにしてもですが、売れている割にはそんなにすごいと思える本ではないんですね。でもなんかやってしまう魅力はあるのが……自分も結局やったし……。75点です。文法だけ見たら70点ですね。