『文明論之概略(岩波文庫)』

 つい最近読了。名前からして、結構読むのがめんどいのかと思いきや、意外と楽々読める。
 言ってしまえば、啓発本の元祖といったところ。
 内容は、
 物事の考え方から、文明とは何ぞやという話題までが巻の一。
 日本の現状と西洋の文明を比較したのが巻の二。
 で、これから如何すればいいのかを言っているのが巻の三。
 巻の四と五で、日本と西洋の文明史の概略など。
 最後、どうやって日本はこれから難局を乗り切っていけばいいのかを示したのが巻の六。
 かなり適当なので、当てにはしないでください。


 とても面白い内容です。今になっても色褪せていない。むしろ現代の日本人は再び同じような状態に陥っているので、読むことをお勧めできる時期かなと。
 グローバル化の進行は必然的なもので、もう止めることは出来ないと思われます。言ってしまえば、また開国の時期を迎えているということになります。
 そんなこの時期だからこそ、昔にそれを体験した人間、そして体験や知見を書き残した人間であるこの福沢の著書を読むことは、今の人間に前へと進むための指針を与えてくれるのではないでしょうか。


 でもやっぱり少し読むのが面倒、漢文の素養などを下地にして書かれた文章ですから仕方ないのですけど