『望月古典文法講義の実況中継(語学春秋社)』
3日連続で古文。
また古文か。明日も古文かもしれないです。
代ゼミ関西で活躍の望月先生による本。古典文法系では今更ってレベルに有名だと思います。
1.概略
コンセプトは“初心者にも分かりやすく、それでいて大学受験レベルにまで引き上げる文法の本”です。
実況中継というように学校で配られる文法本と異なり、講義形式で進められる。
上下巻の2冊、共に300ページ越えで分量としては多い。
文法中心であり、読解の詳しい参考書は別途用意する必要がある。
2.構成
「用言→助動詞→助詞→その他品詞→敬語→識別法」の順で構成されている
上巻で助詞の半分ぐらいまで、下巻で識別法までを扱う。
一つの回は「導入→適宜問題→解説と更なる文法事項の紹介→最後に問題の解答と訳」で構成されている。
3.評価と感想
(1) 長所
- 初心者レベルから大学受験レベルまでの古典文法の知識が身に付けられる。
- 講義形式であるため、読みやすい。
- 憶えるポイント、理解するのが重要なポイントというようにメリハリが利いている。
(2) 短所
- 上下巻であるため、やはり分量が多い。
- 他の本でもう少し問題演習をする必要がある。
- まとめが無い。文法事項のまとめは自分で作成するか、もう一冊本を買う必要がある。
(3) 総合評価と感想
今回取り上げた『望月古典文法の実況中継』ですが、つい最近大幅改定されまして、文法事項のまとめCDが付きました。あとレイアウト面で大幅な変更がありました。
でも買いなおすには色々物入りであるため旧版そのままです。
正直、文法事項のまとめCDより、別冊で切り離し可の文法事項まとめ本を作ってほしかったなあと思うのですが。
それはともかくとして、まず、初心者レベルから大学受験までこの2冊でいけます。これは間違いないです。
まず一気に通読して概要を掴みます。で2周目で綿密にやります。一つの回の所々にまとめられている部分をいったん憶えるぐらいまで繰り返し言います。3周目に行くとすらすらいけるはずです。それ以降も何回か回してください。
何度か読んで、大体理解した時、この分量が問題となると思います。その場合はレファレンス用に1冊の文法本を買ってください。駿台文庫から出てる『正しく読める古典文法』が個人的なお勧めです。
講義本で分量が多いのですが、問題数はそれほどではありません。といっても問題集を買えば、文法事項もかなりの演習が積めますので問題は無いです。やりたければ河合出版の『古文文法問題演習 基本テーマ30』をやれば良いと思います。ただ、これをやると文法に時間がかかりすぎるので、それほどお勧めは出来ません。
古典文法本としては満点なのですが、分量の多さがやはりマイナスポイントになります。読解で別の本を用意する必要があるのも痛いかな、と思います。まあこれはほんのコンセプト上仕方ないとこではあるのですが。
今回の本の得点は80点です。ただ、本自体に問題はありません。内容はいいんです。しかし、持ち運ぶ面とかを考えるとこんなところかと思います。
この本でさっさと文法事項を理解して、読解へと取り掛かりましょう。古文の力は、
- 古典文法
- 古文単語
- 古文常識
- 古文読解
の4つで構成されていて、どれも欠かすことは出来ませんし、定着して有機的な繋がりを持つまでに時間がかかるからです。
今回はAmazonが使えますので、Amazonで。上下巻2冊とも紹介します。
- 作者: 望月光
- 出版社/メーカー: 語学春秋社
- 発売日: 2007/07
- メディア: 単行本
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