『頻出古文単語400(Z会出版)』

 2日続けてZ会の本を紹介。
 今回も著者は仲光雄氏。河合の先生を今もやってるのかは良く知らないです。
 古文単語帳は色々ありますが、数がぶれるのでなんか統一基準みたいなのはないんですかね。
 見出し語以外含めると400いくよっていうのは結構多い。
 少なくすむって言ってるのはなんかの詐欺なんでしょうか?
 では話を戻して、

1.概略
 古文を読むには「古文単語」が必要であるが、機械的に憶えれば良いというものではない。
 語彙の習得にはそれなりに時間を必要とする。
 この本によって古文の文章を“読み解く”ための基本400語を身に付けることが出来る。


 従来の本によくある欠点である、
1.執筆者の経験に基づく単語の選定、
2.問題文中に問われている単語を選別し、その他の本文の古文単語を無視
といった問題がある。その問題を解決するため、今回は、
 古文に良く出てくる単語を主要大学とセンター試験の古文本文に基づいて抽出し、頻度順に400語を選定した。
 最頻出100語をマスターすることによって、入試問題の40.75%の単語がカバーできる。
 400語全てを身に付けることによって、必修である単語のマスターが可能である。


2.構成
 過去5年間の主要大学とセンター試験の古文本文を基にして、頻出400語を抽出。
 400語を最頻出語100語、頻出語150語、重要語150語の3章に分類。
 一つの章は「見出し語→確認テスト」で構成されている。
 見出し語は「見出し語・関連語の学習→例文→解説」で構成されている。
 2ページに1度ずつコラムを掲載し、古文常識や語の深い理解を身に付けることが出来る。
 付録として、古文の世界における重要事項を整理。
 最後の索引において、見出し語と関連語を五十音順に配列している。訳語も同時に掲載してあるためこれだけを使っての単語チェックも可能となっている。


3.評価
(1) 長所

  • 頻出語彙からの学習が出来ること。
  • 例文が一つの訳語ごとについているので、すべての意味に触れられること。
  • 索引による単語の総確認が出来ること。
  • 解説が詳しいこと。

(2) 短所

  • 頻度順の欠点である、意味が近い語をまとめて憶えることができないこと。
  • 同様に心情語などをまとめて憶えられないこと。

(3) 総合評価と感想
 正直に言うとほぼ欠点は無いのではと思っています。
 憶えやすさにも配慮してるし、単語の選別も問題ないでしょうし。
 短所というのも無理やり上げたに等しい感じですから。
 強いて言うと単語数が少ない、レベルが低いといったところでしょうか。しかし同じZ会出版から出ている『読み解き古文単語』が上級単語集として存在しているため、これ等の批判は的外れとなります。今回の書物はあくまで必修単語を身につけるというのがコンセプトにありますから。
 『速読古文単語』が速単入門編、『頻出古文単語』が速単必修編、『読み解き古文単語』が速単上級編、てな感じで対応しましたね。でも正直な話、『速読古文単語』の存在理由があんまりないですね。『速読古文常識』で書いたように『頻出古文単語』に『速読古文常識』が対応したら、本当に価値がなくなります。
 本当に出来のいい単語集だと思います。どれを買うか迷ったら、これで良いのではないかといえるほどに。
 あとやってみてほしいのですが、例文の右側に文法事項を載せたりとかしたらどうだろうかとおもいます。でもページ上が煩雑になるかもしれないですね。あったら便利だと思うんですけども如何でしょうか。
 得点は94点ぐらいで、ほぼ満点の古文単語集だと思います。


 なんか今回はべた褒めになってしまいました。
 今回もAmazonには載ってないので、紀伊国屋さんのをお借りします。
出る順に学ぶ頻出古文単語400 / 仲光雄 - 紀伊國屋書店ウェブストア