『総合英文読解ゼミ(語学春秋社)』

『総合英文読解ゼミ(語学春秋社)』山口俊治著
 その昔お世話になった参考書です。
 英文法の実況中継で受験参考書界に大きなムーブメントを巻き起こした山口先生の著作です。
 この本なんですが、
 英語構文ゼミナール5冊→全解英語構文→総合英文読解ゼミ
 と名前は変わっているのですが中身は変わってません。
 分冊→ハードカバー→ソフトカバーと外装は変わっていますけども。
 ではまず内容から。
1.概略
 英文読解の基盤となる形式を全200型に整理。
 一つの型の中で基礎→応用と文が配列され、段階をふんでレベルアップすることが可能。
 英文読解のためのしっかりとした基礎をくみ上げることを目標とする。
2.構成
 1冊で600ページ超。
 前述のように全200型に英文を整理。
 第1型〜第33型で基本文型。
 第34型〜第53型でit構文。
 第54型〜第170型で不定詞、分詞、動名詞、関係詞、比較構文、否定構文、相関構文、副詞節といった重要文法事項を含んだ構文。
 第171型〜第200型で統治、同格、挿入、共通関係、省略、名詞構文といった特殊な文型を取り扱う。
 一つの型では例文→例文の解説とその例文の類型→応用文で構成。
3.評価
 (1) 長所

  1. 受験英語に出てくるとされる構文はほぼ網羅している。
  2. 同じ文型の文を大量に読むことができ、効率的な実力アップが可能。
  3. 体系的な章立ての上に索引がしっかりしているため、修了後の構文辞典としても使用が出来る。
  4. 難しい単語にはすぐ近くに訳がついており、辞書と首っ丈にならずに読み進められる。
  5. コンパクトで持ち運びが楽。

 (2) 短所

  1. 量が多い。
  2. 解説が全体的に大雑把。応用文例においてはほぼ無いところもある
  3. ソフトカバーのため机においても簡単に閉じてしまう。

 (3) 総合評価と感想
 自分の中では思い出の参考書の一つです。
 一度目の受験が終わって浪人が決定した時に手に取ったのがこの参考書でした。
 そのときはビジュアル英文解釈はやったのですが、やり方が甘かったのか今一消化不良といった状態でした。
 今考えると、読み込み量が足りなかったということだと思います。
 それでこの本を本屋で見たときにビビっときました。この参考書をやればいいんじゃねみたいな。
 ある意味運命の出会いといいますか、必死で読んだところ、英語の成績も結構伸びました。
 当時に印しつけたところからすると、1日70ページほど読んだみたいですね。
 読んで読んで読みまくりましたね。でも意外にきれいなので丁寧に扱ってたみたいですがw
 そんなこの『総合英文読解ゼミ』ですが、今見るとやっぱ量多いです。
 一体どんなモチベーションで呼んでたんだ俺というぐらい量多いです。
 なんというか取り合えず量多いです。
 でもこの本はお勧めできます。
 ビジュアルやる前の全くの初心者では少しきついかもしれません。
 もし『英文法の実況中継』からそのまま入るのであれば、
 まず例文だけまず拾っていって、1周目。
 もう一度丁寧に例文だけで2週目。
 3周目からは応用文例にも手を出していきましょう。以下繰り返し。
 沢山読めば読むほど、繰り返せば繰り返すほど力を伸ばすことの出来る参考書だと思います。
 使用期間は最低でも3ヶ月、1年ほど掛かるかもしれません。自分は半年ぐらいだったと思います。
 この本と後単語集さえやれば、大学入試の論説文で困ることはないと思います。
 もちろん会話文などには別途1冊用意する必要があります。
 その場合、以前取り上げた『英会話問題のトレーニング』などをやって下さい。
 とにかく、どっしりとした一冊本で英文読解力を付けたいという方は一度、手にとってみては如何でしょうか。

総合英文読解ゼミ: 高校英語

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