『120構文で攻略する英文和訳のトレーニング』

 一周したので報告します。
 『120構文で攻略する英文和訳のトレーニング(Z会出版)』高橋阿里
1.概略
 英文和訳で点を取るための「構文」と「書く能力」を演習によって身につける
 重要な構文を120収録、答案例の添削と重要ポイントの提示で確実に能力を高める
 自然な日本語に直すための表現方法を示す
2.本の構成
 第1章は頻出構文編
 25のUnitから構成。
 それぞれのUnitは「例題→答案例の添削→重要ポイント→解答例→演習問題」で成り立っている。
 例題は120題、演習問題は87題が合計であり、それぞれ割り振られている。
 重要ポイントでは自然な和訳にする方法が書かれている。
 第2章は実践編。
 入試問題40題を掲載。
 1題ごとに「例題→答案例の添削→チェックポイント→解説→文構造チェック→解答例」で構成。
 演習問題は存在しない。
 チェックポイントでは入試で採点基準となりそうなところを出している。これにより自己採点が可能になる。
 実戦アドバイスというものがあり、注意すべき事項を提示している。
3.評価
 (1)長所

  1. 問題数が多く、1冊でかなりの構文を身に付けられる。
  2. 解説が詳しい。参照が付いており、分からなくなった場合そこに戻って復習が出来る。
  3. 自然な和文の作り方がわかる。

 (2)短所

  1. 索引がない。
  2. やる前にそれなりの能力が必要(ビジュアル仕上げたぐらい)とされる。

 (3)総合評価
  索引がない以外はかなりいい本だと思います。
  問題数は多いし、解説はしっかりしている。
  答案添削例では何が駄目で何が許容範囲内なのか分かります。
  同じ構文が使われた場合、そこを何度も示して、間違えた時に戻れるのもいいです。
  伊藤和夫の英文和訳演習現代版と言った感じで、あれよりも体系的にできていますから、強化版でしょうか。
  この本1冊あれば、大学入試の和訳で全く分からないというようなことは無いと思います。
  必要な時間は2ヶ月ほどでしょう。1日1Unitで25日、実戦編一日4題で10日、復習で20日ほど。
  1冊解釈本を終わらせて、何か演習をしたいという人にお勧めです。
  問題は索引がないことです。
  かなりの単語、熟語、構文が使われているので、付けても良かったと思うのですが。
  充実した索引は一冊の本を復習するには欠かせないものなので、そこは惜しいところです。
  しかし、全体的にはかなり使える本だと思いますので、買って損はないでしょう。
http://www.kikuyashoten.co.jp/detail.jsp?ID=0001022665